▼ 05
その二週間後。
私の服を買いに行くついでって理由でハリーは車に乗せられた。
何故私の服を買うのかと言えば、ダリアの服が大概ピンクのヒラヒラ悪趣味しかないからだ。
私は両親に向かって、「時代はクールビューティ、ボーイッシュ。カッコイイ女の子の方が可愛格好いいのですよ!」とハイテンションで力説した。
バーノンさんが「流石パパの娘だ」とか何とか言っていたが、はて何の事なのか。何処らへんにお前の事褒める要素があったんだバーノン。
幸いにして映画版と違い、ダリアが似たのはペチュニアさん、のお母様だった。
リリーさんは確かにペチュニアさんのご姉妹であらせられた。
阿呆みたいにテンション上げる日本人女子高生が入ったその器は、肥満さえなければぶっちゃけ美少女に両足突っ込めるどころか全身浸かれるビジュアルである。
ふははやったぜ、これで身長は高めと来たからには世のおにゃのこは俺のもn…失礼、取り乱した、とガッツポーズで拳を握るブロンドの子豚の心情を察した者はいなかった。
まぁそんな訳で私と愉快な家族達はショッピングに出発した。
いくぜショッピングモール、そんでなんのイベントも無くついたぜショッピングモール。
「よしハリー行こうか!」
「えぇぇ…?」
とりあえず入ったのは子供服売場だ。大人物はまだサイズが無いからな。
「ハリー、お前私のセンスに身を委ねろ!」
「うん、まぁ何でもいいよ」
服買って貰えるのはダリアのお陰だし、と私の後ろをついて来るハリーにコイツダルデレかと内心突っ込んでみる。
少し違う気がした。
「ハリーはモノクロ系が無難だな」
白いシャツに黒いパーカーはとても無難に着こなされていた。うん、そしてシンプルな物が似合う。
さらに言えば子供服だからロクなもんが無い。
今はまだ仕方ないかーと息をついて、シンプルに纏めたハリーの洋服セットをカゴに入れた。
私は大体ハリーとお揃いにした。何故ならハリーに選んだ奴が私の好みだったから。無難シンプルって素敵だよね。
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