二次 | ナノ


▼ 04

「ま、まってダリアちゃん」

「…なあに、ママ」

「いきなり日本食って言われても……ごめんなさいね、ママ日本の御飯はよく分からなくて…」

調べろよ。…まぁでも流石にこっちに非がある。むしろ私にしか非が無い。なんというクズ(笑)。

「……すき焼きが食べたい。それから豆腐とワカメのサラダと、ネギと油揚げの味噌汁。」

なので固有名詞まで出してみる。さぁ調べろペチュニアさん。そして私に与えてくれ。サラダと味噌汁は…あったらでいいからさ。
我が儘だとか言わない。
利用できるものは全て利用するのが私の生き方です。クズとでも何でもいいやがれ、調子に乗って更にクズい事してやるから。
あーでもネットも普及してねぇこの御時世のイギリスで、今日中に日本食を調べて作れとは無茶な話だよなぁ。
そんなわけでその日の晩飯は結局、日本食屋に連れていかれた。



「ママ、ハリーの格好がみっともなさ過ぎて泣ける。」

「え?」

「仮にもハリーは私の従兄弟なのだよママ。なのにパパのお古着てるとか、私が恥ずかしくて仕方ないの。あーやだやだ。」

ダーズリー家に炊飯器が装備され(古い)、ペチュニアさんが日本米(コシヒカリかアキタコマチが私の好みである、)の炊き方を覚えたある日の事。

私はハリーをダイエットウォーキングに付き合わせる為に、そんな本心を吐露した。

だぼだぼよれよれの服を常に着ているハリーは、可哀相とか言う前に普通にみっともない。まぁみっともないのは主にそんなもの着せてるダーズリー夫妻だが。とにかく、そんなのは連れて歩けない。

そこで思い至ったのが何時もの如くに盛大な駄々捏ねである。彼等の中ではダリアのお願いを聞くこと≧ハリーの面倒をみること>ハリーを虐げる事の不等式が完成している為、《私》がハリーの格好にけちをつければ彼等はすぐにハリーの服を揃える、筈。

「わ、わかったわ。ダリアちゃんがそう言うなら、あの子の洋服を揃えておくわ」

「んーん、ママ。私が選ぶの!
ハリーは顔が良い方なのよ?だから私好みにコーディネートして、皆に見せびらかすの。」

《ママ》は引き攣った笑顔を私に向けた。


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