二次 | ナノ


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7分を過ぎた所で、漸く組分け帽子はセレマをグリフィンドールに入れた。寮が離れずに少しホッとする。原作にはいなかったキャラで、ハーフエルフで既存の魔法族に対立する未知の魔法族の出身で、私が何者か知っているというフルコンボを決めているからには、目を離すわけにはいかないのだ。

組分けを受けた生徒の中に、あの美貌の日本人は居なかった。上級生だろうか。なんだか嫌な予感がする。出来る限り大広間を見回して探したけれど、1000人近くいる中から一人を探し出すなんてそれなんてウォーリー?

会食は良くも悪くもイギリス料理で、まぁイギリス人が調理してないからか何事もなく堪能できた。ダーズリー家の料理の方が私好みのものを出してもらっていたから美味いんだけどね。

そして、一つ期待を裏切られたことがある。魔女かぼちゃジュースくっそマズイ!!
かぼちゃジュースというからには、ポタージュのような優しい甘みのあるものを想像していたのだ、私は。実際にペチュニアさんが一度出してくれたものは南瓜と人参をミキサーにかけた野菜ジュース的なものだった。
ところがどうだ。魔法界では一般的な飲み物のうちの一つであるこの魔女かぼちゃジュース、なんと基本の味はどう考えてもりんごジュースである。加糖された人工的な甘味が口の中でベタつき、強烈なシナモンの香りが気分を悪くさせる。極め付きはアプリコットのえぐ味が後を引く所。かぼちゃは辛うじてそのマイルドさを残しているものの、気休めにもならない。
もう二度と飲まない。絶対にだ!

映画版と原作版が混ざりあった入学式は特に退屈も無く終わり、(ホグワーツ校歌に関しては、お経のリズムで唱え………口ずさんでおいた)、立入禁止区域のお知らせがあって、ハリーの頭痛があったようななかったような感じで過ぎて、寮にとっとと案内された。
途中ピーブスがいた気がしたが、なんかセレマを見てすっと消えていった。何があったん。

女子の寝室へ上がる私に、そうだよなぁダリアってどう考えても女の子の名前だよなぁと言ったロン、明日ほっぺぐりぐりの刑だから。



最初の授業というものは定番通りオリエンテーションから入る。しかしホグワーツでは授業の決まりを口頭で説明される。教授の言ったことを書き取ってシラバスを自作する必要があって面倒臭さはMAXである。作っとけよそんなもん。

初めの日の朝、ハリーはやはり注目されていた。
ひそひそと不躾な視線を寄越しながら囁きあう生徒達に、流石のハリーも居心地が悪そうだった。
一緒にいる私にもその視線は注がれた。

「ハリー・ポッターのイトコだって」

「どうやら穢れた血らしいぞ。マグルの服装をしてるんだって……」

おい、今穢れた血とほざいたやつ後で八つ裂きにするからな。覚えておけよ。

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