二次 | ナノ


▼ 8

さて、組分けの話であるが。
五人の中で一番早く組分けしたのは勿論私である。ファミリーネームの頭文字Dだしな。おいまて、某有名走り屋漫画と被っている事に今更気付いた。

椅子に座って組分け帽子を頭に被らされると、帽子はうぅむ……ととても微妙な声を出した。

「狡猾さよりも全力粉砕……我慢強くもない……それに勤勉で知識を求めてはいるが、それが義務と手段であると断じている……勇猛果敢とも違う……」

おい、そりゃどういう意味だ。

「うぅむ……それではグリフィンドールか、スリザリンか……義に厚い、情も深い、しかし手段は選ぶ。気位が高く傲慢だが調和と秩序を好む。はてさて、どうしたものか。」

「迷うんだったら希望を言っておこうか?」

「聞いておこう。」

「グリフィンドールかな。蛇より獅子の方が似合うだろ?」

「ふーむそれではグリフィンドールで。」

迷った割にはあっさりとした決まり様だった。ほら、やっぱりさ、赤色のほうが似合うだろ?

そしてハーマイオニーは無事にグリフィンドールだった。そしてマルフォイもやっぱりスリザリンだった。何となくホッとしたような、複雑な表情をしたのを覚えておくことにした。
ハリーも原作同様グリフィンドール。帽子は長い事悩んでいたが、スリザリンとグリフィンドールで悩んでる間、ハリーの後ろのダンブルドアがじっとそれを見ていた事に気がついた。スリザリンに入られたらいろいろと不都合でもあるのかもしれない。
そしてハリーの次に呼ばれたのがセレマだった。

「ローゼンクロイツ・セレマ」

ちょっとまて、ローゼンクロイツって私でも聞いたことあるぞ。あれだ、薔薇十字団。でもあれってドイツ発祥じゃなかったか。
大広間がどよめいたので、その名前は有名らしい。ハーマイオニーが近くで興奮して喋っていたので耳を傾けた。

薔薇十字団はマグル界においては只の眉唾もののフィクション神秘秘密結社だが、実際に魔法使いが魔術の開発・研究と後続の魔法使いの教育を行っている国際的な団体であるそうだ。
本部のあるドイツにはその名を冠した私立の魔法学校があり、現代ではそこでのみ未成年魔法使いの教育を行っているという。
その薔薇十字団を設立したのが五百年前の人物、クリスチャン・ローゼンクロイツ。魔法界に実在した人物らしい。
さすがハーペディア。詳細な説明をどうもありがとう。その後にも薔薇十字団がイギリスへ与えた影響に言及していたが、聞くのをやめてセレマに意識を戻す。

セレマが帽子を被ってから、既に4分が経過していた。5分を過ぎたら組分困難者という称号が与えられるとすぐ横の上級生女子が最初に組分けされた一年生に囁いている。多分ラベンダー・ブラウンだったと思う。

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