二次 | ナノ


▼ 7

そういえば、ドラコは金魚の糞はどうしたんだろう。

「ドラコ、一緒に入学する友達とかいないか?私とずっと一緒にいて平気か?」

「友人の質を選ぶ事にしたんだ。少なくとも、トロールを人間にしたような奴は友人とは呼ばないことにした。」

そう肩を竦めて言うので、内心噴き出してしまった。おーおー、ボロクソに言うねぇ。

「まぁ、ドラコが良いならいいんだけどよ。」

ハグリッドの案内で湖の辺へと辿り着く。そこには船が並べられていて、これひっくり返ったりしないの?とか考えてしまった。いくら夏とはいえ夜の湖にぼちゃんなんて御免だぞ。
湖の奥には立派な城が聳えていて、観光好きの私としては若干テンションが上がる。

ボートにはドラコとセレマと乗る事になった。先に乗り込み、セレマに手を差し出すと、ありがとう、と天上の調べもかくやというお礼が降ってくる。あー最高まじ最高。つーか軽い。流石ハーフエルフ。
ついでにドラコにも手を差し出してやると、僕はレディじゃないぞと口をへの字にされた。まぁまぁ、バランス崩すと危ないから、と宥めた。だってお坊っちゃん、お前さん今はまだレディに近いぞ。セレマと私より身長低いし。



湖を渡りきって城のエントランスに行くと、ここで待機するようにと声が掛かった。あれ、小説版じゃどっかの部屋に押し込められなかったっけ?今まで全部原作に沿っていた気がしたんだが。
まぁいいか、と思いながら、良いタイミングなので先頭にいるハリーの方へずかずか進んだ。何故かセレマとドラコもするすると着いてきた。やたら優雅なコンビである。

「ハリー」

「ダリア」

呼び掛けると、黒髪が振り向いた。その落ち着いた表情には何の悪感情も含まれていない。だから、私の口からスムーズに謝罪の言葉は滑り出てきた。

「朝は八つ当たりして悪かったな。友達出来たか?」

「うん」

ハリーはひとつ頷いた後、隣にいた赤毛ソバカスに視線を滑らせる。私と同じくらいの身長に、誰だこいつ、というきょとんとした表情を浮かべて私を見ていた。

「彼はロン。同じコンパートメントに乗っていたんだ。」

「やぁ、僕、ロナルド・ウィーズリー。ロンって呼んで」

「ダリア・ダーズリー。ハリーのイトコだ、よろしく。で、こっちはセレマと、ドラコ。ドラコはもう知ってるのか?」

同じく後ろにいた二人を紹介すると、ロンとドラコは互いに嫌そうな顔をした。こいつら馬が合わなそうだなー。
新顔のセレマだけがローブの端を優雅に摘んで挨拶する。

「セレマと申します。」

その時、たった百名ちょっとの新入生の殆どが此方に視線を向けているのが分かった。まぁ、ドラコいるし、セレマも目立つし、ハリーも私も目を引く方か。だいぶ目立つ集団と化したなおいww
と、ロンがセレマに対して好奇心丸出しに身を乗り出した。

「ねぇ、君、もしかしてヴィーラじゃないよね?

「違いますよ」

ふふふ、と笑いながらセレマは緩く否定した。そしてちょっと私を見た。どうやら半エルフだと明かす気は無いらしい。安心しろよ、言い触らしたりしないから。
それよりも、ヴィーラってそんなに美人なの?エルフと並んじゃうほど美人なの?魔法界の美醜の振り幅デカすぎじゃない?

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