二次 | ナノ


▼ 19

「それに、」

と私が引き継ぐ。

「パパはキリストを悪し様に言った事は無かったよね?キリストこそ、パパ達の嫌う非常識の塊なのに。」

ぐ、とバーノン親父が言葉に詰まる。私は続けて言った。

「魔法とは普通、悪魔と契約して魔の力を行使することを指す。
だけどこれは恐らく非魔法族──宗教家が魔法族に対して放った言い掛かりだろうね。
でなければ生まれる前から契約が成立している事になる。」

そしてここからはただの憶測だけど、と前置きして、私はカトリックの奴等が聞いたら卒倒しそうな話をぶち撒けた。

「何故そんな事をしたのか?それはね、キリストを始め聖母マリア、ジャンヌ・ダルク等の協会の言う聖人が行使した不思議、かつ科学的に説明のつかない力を神の奇跡に仕立てなければならなかったからさ。
彼等が魔法族だったとするならば簡単に説明がつく。けれど、それでは彼等は平凡な只の魔法族の一人に成り下がる。だから他の魔法族を悪魔の手下にするしかなかったんだよ。
その力が魔法と違うのか違わないのかは、彼等には分からないから。
実際、ジャンヌは魔女として処刑されている。」

今はオルレアンの聖女なのにな。

「だからね、魔法使いは邪悪でもないし、まともじゃない、なんて事、絶対にない。魔法の使えない人間が多いからって、数の優位を理由にマイノリティを異端と見なしちゃダメだろ。それって差別じゃん。
人間には一人一人個体差がある。どんなに頑張っても生れつき身体が動かない人だっているよね。その人もまともじゃないなんて言って馬鹿にするの?しないよね?
なら、生れつき不思議な力を使える人間を認めないのはおかしい筈だ。唯物論に毒され過ぎじゃないの?進化論よりも創造論が普通だと思ってるのに、矛盾してるね。
私の考えとしては、魔法を使う力は得体の知れないエネルギーだ。そんなものを放っておく方が危険だよ。コントロールを学ぶ為だけにでもホグワーツに通うのはアリだと思うね」

そしてホグワーツの案内書を読む限り、入学金は無く授業料はほぼタダ同然。尚且つ必要な生徒には奨学金制度が適応される。
魔法界に限りだが、全ての職業に進路が開けてもいた。当たり前だ。魔法学校は数が少ないのだし。

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