二次 | ナノ


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高校受験をした私にとって、このホグワーツからのハリーへの迎えはとんでもないもの過ぎた。
今私が聞いた事は、原作じゃ分からないリアルな話。魔法使いというのが人種なのか職業なのかもはっきりしないまま、そんな所いけるかっての。

ハグリッドは一つも答えられずに、返答に窮していた。
私は苛々と溜息を吐く。

どうしようもないな、これは。

こんなんじゃ私はホグワーツに行きたくもないし、ハリーをやりたくも無い。いっそ二人でストーンウォールに通う方がマシだ。学校の運営どうなってんだよ。

そこまで、考えた時だった。
バシッという鋭い音が私の思考を遮った。

全員、マジビビった。


「こんばんは、皆さん」


マジか。マジでなのか。
私がグダグダ突っ込んだからか?ここに──ここに、マクゴナガルがいるのは。
あ、やべ。平常心平常心。

万が一にも開心術なんぞ使われたら終わりなので、呼吸を保ち冷静になる。道場で培った精神統一技術なめんなよ。

「……どちら様ですか?」

最初に聞いたのはハリーだった。
マクゴナガルは全く表情を動かさないまま、その瞳にハリーと私を写す。

「ハリー・ポッターですね。私はホグワーツの教員の一人です。副校長として、学校の案内を届けに来ました。
ミスター・ダーズリーにミセス・ダーズリー、あなた方の御息女はとても聡明ですね。ミス・ダーズリーの鋭い指摘に、校長は学校への入学案内を見直さねばならないとまで仰っていましたよ。」

マクゴナガルの態度は他人に等しく彼女は厳格である、印象を刻み込むらしかった。唐突に現れ、突然話し掛けられて、ダーズリー夫妻がこの世から消えんとばかりに縮こまる。マクゴナガルはハリーと、それから私に二冊の真新しい本を差し出した。

ビロードの表紙の本にはホグワーツ入学案内と記されていて、中をぱらぱらと開くと私の知るパンフレットよりは少し堅苦しい表現でホグワーツについてが書かれている。

もう一冊はマグル生まれのための魔法界案内。世界中に魔力を持った魔法族が暮らしていること。それぞれの地域別に魔法省と呼ばれる機関があり、統治していること。国際魔法使い連盟と呼ばれる魔法使い社会の国際組織が存在し、それに認可された魔法学校は世界に僅か11校しかない事。ホグワーツはそのうちの一つであるという事。
イギリスの魔法族の暮らしや社会の構造。マグルの元で育った魔法族は基本的にホグワーツに入学するように決まっている事。魔法族の場合は家庭学習も認可されている事。
主にそんな事がざっと書かれていた。

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