二次 | ナノ


▼ 05

「……そんで?何でこの私の目出度い誕生日を祝うお出かけにお前がいるんだネズミ」

「うぇえ酷いよダリア…」

「うるせぇネズミ顔。ガタイいいんだからシャキっとしろ。」

そしてお前がうぇえとか言っても全く可愛くねぇ。
さて、学校で私のパシリとなっているこのネズミ顔、もといピアーズ・ポルキス(10)ウスノロ系ショタが何故ここにいるのか。簡単に言えば、こいつの母親とペチュニアさんが仲の良い関係……という事で私の誕生祝いに同行するためである。

「まぁいいや、親が呼んだなら私は知らん。せいぜい私の祝い事のお零れを楽しめよ、二人とも」

ピアーズとハリーに言ってから、私は二階へ上がった。出掛けるのに荷物を取りに行く為だ。あと、ハリーに今私が着てるのと色違いのジャージを羽織らせる為。
ショルダーバッグにゲームボーイとサイフを放り込んでジャージと一緒に持ち、帽子を被って下へ。

「ハリー、お前ちょっと来い」

「何?」

「いいから」

腕をまくって手にムースを出し、ハリーの少し長めの黒髪へ馴染ませていく。
親に言ってハリーにはストパーをかけてもらった。毎度毎度アイロンで真っ直ぐにしてやるのも骨が折れるんだよね。サラストハリーはイケメン度が上がって非常によろしい。
左に流すように髪をセットし、ジャージを渡せば出掛ける準備は終わり。自分の身嗜みも再度確認して、よし、と頷いた。
それでは動物園へれっつらごー、と。



おい、そういえばここで私は蛇の代わりに檻に入るんじゃなかったか。

ハリー、ピアーズと並んでクッキークリームのアイスを食べながらキリンを見上げる私は急にその事に気が付いた。
やばいまじやばい。っべーよ!ジャージお気に入りなのに汚れるだろ!白いし!
あー……爬虫類館に行かなきゃいいのか。だが蛇と蜥蜴見たひ。好きなんだよね。まー俺のハリーがガラス消す筈がないし、大丈夫か。
昼飯を食べた後、結局爬虫類館に入ったのはハリーに対する信用の現れである。

「ハリー見ろよ。カメレオンがいるぜ……!」

「本当だ。ダリアもしかして爬虫類好きなの?楽しそうだね」

「もしかしなくとも好きだよ。爬虫類可愛いよなぁ……」

「確かに顔の作りは愛嬌あるよね」

爬虫類の可愛さに静かに盛り上がる私とハリーに、ピアーズはどん引きだった。ボールパイソンとかペットにしちゃう?しちゃおうか?

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