二次 | ナノ


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そんなわけで日本旅行は滞り無く終了しました。
あ?飛ばし過ぎ?この二年間どんだけ飛んだと思ってんだ。一日一頁で日記のように書いたりなんかしてたら大変な事になんだよ。
いやぁ、伊勢神宮超格好よかったです。あとマックまじ面白い程イギリスとクオリティ違かった。

で、帰国。

「ただいまダーズリー家。さぁてハリー、荷物の片付けだ。」

まず荷物置いて、洗濯物出して次にお土産。
リビングのテーブルに四人で座って、私とハリーがテーブルの上にお土産置いてダーズリー夫妻へ差し出す。

「はい、お土産。とりあえず開けてみて」

荷物が嵩張るからと最後に観光した伊勢神宮で買ったものだが、日本の神社の中でも最高峰の由緒正しい神社のものなので、適当に買ったものではないからね、うん。

「いい娘をもったな………ん?こりゃ、なんだ?」

「御守ってやつだって。クロスみたいなものだと思う」

実際のところは別物だが、ようはバーノン親父が納得すればいいのである。ちなみに、原作の描写では分からないかもしれないが、ダーズリー夫妻はごく普通のクリスチャンである。つまり、聖書の内容は彼の言うところのまともでないものには含まれていないのだ。
聡明なことに宗教の多様性と信仰の自由には無関心であるようなので、御守を土産にしたって本当に単なる土産物としか思わないだろうが。

「それからこっちは焼き八ツ橋ね。スナックだってさ」

「そうなの。見たこともないやつね。」

「シナモンの効いた固いサブレみたいなものだったよ」

生は流石に持って帰ってこれないので、現地で食べてきた。ニッキはあんまり好きじゃないけど、八ツ橋は美味い。
その他にたこ焼きプレートとレシピを買ったので、ペチュニアさんには是非とも活用して貰いたいと思う。

「……あの」

と、私がお土産御開帳を全て終わらせた所で、ハリーが切り出した。

「僕を旅行へ行かせてくれて、ありがとうございます。
それで、これ………」

ハリーが怖ず怖ずと差し出したのは、蒔絵細工の写真立てだった。桜の模様が上品で可愛らしいデザインの、結構値段のするやつだった筈なんだけど、ハリーの奴自分の土産削って叔母夫婦へのお土産台に金を宛てたらしい。
ハリーが持たされた小遣いなんて微々たるものだったのに、全く出来た子供だなぁ。ほらみろ、ペチュニアさん超驚いてんじゃん。

沈黙がリビングを包む。
何でこんな変な緊張走ってんだよ馬鹿じゃねぇの。

「パパ」

驚いた顔もせず、じっと写真立てを睨んでいるバーノン親父に声を掛ける。
バーノンはウーム、と唸ってから写真立てを手に取った。
手に取ったんなら後は知らん。私は席を立って、キッチンでお湯を沸かし始めた。
ああもう、この家族マジじれってぇ。「家族」になろうとしてるだけ、まだマシなのだろうか。

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