二次 | ナノ


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夏休みである。バーノン親父を突付いて海外旅行へ出掛けることになった。無論、学年末テストへの褒賞として私が強請った。あと、私とハリーの誕生日プレゼントでもある。
行き先は、西ドイツ!

「ソーセージとはこういうものだよなぁ。イングランドのアレは絶対にソーセージとは認めん」

泊まったホテルの朝食にとても美味しいヴァイスヴルスト、白いソーセージが出てきて私の機嫌は天に届かんばかりである。イギリスのソーセージね、ありゃソーセージとは認められないよ。穀物が混ぜ込んであってクソまずいのだもの。あ、無論あくまで一個人の感想だからね。
ちなみにこの白ソーセージは毎朝作られて昼までに食べるものだそうだ。燻製しないらしく、新鮮なうちに食べなきゃってお話。そして、皮は食べないそうだが……日本じゃ普通に食べてたよなぁ。

さて、ヴァイスヴルストを食べているという事で教養ある人は気づいたかもしれないが、ハリー含むダーズリー一家は現在ドイツのフランクフルト州にいる。フランクフルト州の観光といえば、勿論ロマンティック街道ですね常考。
まぁ、今回の旅行は一つのところをじっくりと、という方針だそうで、立ち寄る街は六つくらいだ。

ドイツ十日間の旅、もとの世界でいつか絶対行こうと決めていた場所なのでフライングではあるが、とても楽しみである。

昨日ドイツ入国でフランクフルトを見て回った。
その日のうちに移動してローテンブルク・オプ・デア・タウバーのホテルに宿泊し、本日旅行二日目、最初の観光地はちょっと戻ってクレクリンゲンのヘルゴット教会。
見所は聖マリアの祭壇。うぉお……やべぇ……すげぇ。四人の天使に囲まれた聖母は荘厳すぎて思わず祈りを捧げそうになった。

クレクリンゲンの古い街並みををゆっくりと散策して、午後は午後でローテンブルクでショッピング。
これまた絵本の中に紛れた気分にさせてくれる、中世の姿を遺す壮麗でキュートな街観は勿論、軒先に架けられた看板が目を惹く。どれもこれも凝っている。マックの看板さえも洒落ていて流石に驚いた。まるでテーマパークに来た気分である。千葉の有名なリゾートテーマパーク行くの二十回我慢してドイツ来いよ、日本人。

三日目はブルク公園と、人形と玩具の博物館を見た。意外とダーズリー夫妻は教養に気を使うようだ。ただ、それらの教養は望まないと与えられないという究極の自主性主義である。
人はそれを躾をしない一種のネグレクトと呼ぶのだが。

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