二次 | ナノ


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「ハリー、テストで上から二十番以内を目指すぞ」

さて、春は終わり季節は初夏。武術道場に通い始めたからか、最近は身体が軽く感じる。運動は大事だな、うん。
しかし、運動ばかり力を入れていてもいけない。モテる秘訣は文武両道である。以外にもハリーは瞬発性が高く、動体視力がいい。体力つけて身体作ればスポーツ選手も狙えるんじゃないか?原作だとクディッチ無双してたしな。

まぁ、脳筋はいただけないという事で、冒頭の一言に戻る。

一年とは早いものだ。まだまだ家に帰りたいとは思えないまま、学年末テストを迎えようとしている。
私の成績は言わずもがな、ハリー少年の成績もそこそこ良い。が、ハリーは基礎に甘いところがある。基礎を固めておかないから応用を一つ一つ覚えていく嵌めになるのだ。



テストまでの一ヶ月を模範的な優等生のごとく過ごした結果。
……私とダーズリー夫妻は学校に呼び出しをくらっている。ちなみにハリーもいる。なんでや、ハリー関係ないやろ。
呼び出しの理由は検討がついている。大方去年と比べて様変わりしたテスト結果にカンニングでも疑われてるんだろう。

案の定、教師たちは私に再テストを要求した。難易度は変えず、問題だけ異なる簡易のテストである。去年や一昨年のデータを使ったそうだ。お疲れ様です。
ミニテスト程度の問題量なのでさらさらと解いてやり、満点を叩き出してこの茶番は終了した。たとえ小学生の問題でも手は抜かない。ハリーに指導する上で私は教科書の内容を頭に叩き込んである。半端な知識を見せびらかす趣味はないのだ。

教授陣だって別に私を虐めたいわけではない。テスト結果を一言褒め、これからはこの勉強姿勢を保つように、と小言を貰い、ダリア初めてのカンニング疑惑事件は収束した。
バーノン親父及びペチュニアさんはカンカンだったが、当事者の娘の冷め具合に毒気を抜かれて、二、三言嫌味を言うだけで終わった。

「流石だね、ダリア」

「当たり前だろ?誰がお前のテスト勉強を見てやったんだ?」

ニヤ、と口の端を釣り上げて笑うと、ハリーは解っているとばかりにひとつ頷いた。
奴の手の中には、学年二位のテスト結果の通知表が握られている。

人に教えるということは、何よりも勉強になるものだ。

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