二次 | ナノ


▼ 08

国は違えど初等教育程度に某かの問題があるはずもなく。

「マ・マ。日本食が食べたい」

「ジャ、ジャパニーズフード?それってスシとかテンプラのことかしら?」

「違うし。米と菜と焼き魚と味噌汁のコンボの方だし」

あーでもテンプラはともかく蕎麦食いてぇ。
などと、私は家でペチュニアさんに無茶振りを噛ましていた。味噌汁は後日にしても、他はなんとか出来そうとの事だったので、ならば本日の夕食はそれにしてと頼んでみた。

「どうかしら、ダリアちゃん」

果たして、ダイニングテーブルに並んでいたのは、全く想像と異なるものだった。

米……は米だが、パエリア。お隣の国だもんね、情熱の国。そうだよな、米食いたいって言って白米にする発想を全世界の人間が持つ訳じゃないもんな。
次に菜物。普通のサラダ。具材はレタスと、ジャガイモと卵。レタス少ない……。
そして焼き魚。焦げてるよなぁ。どっからどう見ても焼き過ぎ、若干焦げてる。硬そう。
他ピクルス、シェパードパイ、ヨークシャープディング……はっきり言うが、どれも不味そうだ。別に変な味がする訳じゃない。逆だ。基本的に味はついてない。しかし、焼き過ぎだったり加熱のしすぎで、水分が抜けててとても不味そう。実際不味い。

「えーとね、日本食じゃない。今度ジャパニーズレストランに連れて行ってよ」

民家に於いては美食文化の無い国、として名を馳せていた英国ではあるが、お茶菓子と朝食は美味しいのだ。なのに夕食がこんなのはあんまりではないか。食べ物への冒涜ダメ、絶対。
食べ物への冒涜を説いたからには食べる、食べるぞぉ〜、ガンバルゾー……。

口直しのデザートと紅茶だけは美味だ。日本食がどうのなどと迂闊に口走ったせいで、本日の夕食の食い合わせは最悪だった。(´;ω;`)ウッ…



夏が終わるのは早い。最近寒くなったかな、等と長袖を出し始めたらもうハロウィンである。
リトル・ウィンジングでもごく当たり前のイベントとしてハロウィンは行われる。なんちゃっての日本とは大違いだ。
ハロウィンが近づくにつれて家の先に灯りだすジャック・オ・ランタン達に、年甲斐もなく心は踊る。ええい、今の私は8歳なのだから別に構いやしねぇのだ。ハリーの参加を含め、親を突付いておいた。うちの親共は何故かこういうイベントは好きじゃない。が、そんなこと知ったことではない。どうせプリベット通りの住人として不参加は許されざる事なんだし。

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