二次 | ナノ


▼ 07

夏休み明け。私とハリーはスクールバスに乗り、ハリーにとっては久々の、私にとっては初めてのエレメンタリースクールへ登校した。
一ヶ月半で最低だった見た目はだいぶマシになり、家にあった写真で見たことのあるような顔が(誰だこいつら)的アトモスフィアを醸し出している。
この俺が来たからには無論学校でのイジメもやめさせるぜ、見苦しい。月に代わっておしおきよ!いや、主犯はダリア、つまり自分なんですけどね。



学年替えの行われた学校内は騒がしい。学年、つまりグレードは日本のように同い年の子だけの一年で変わるものでなく、8~10歳の子が一纏めになっている。イギリスでは二、三年毎にグレードがあがるらしい。
指定された教室も、やはり騒がしい。私とハリーがそこへ入ると、八割の生徒がこっちに視線を寄越してきた。なんだかやたらとガタイのいい少年達が「ダリア!」と寄ってくる。なんぞ。
ハリーを突き飛ばして私を囲む少年達。全員がよくアルバム写真に登場していた顔である。ダリアはこんな奴らを子分にしていたのか。DQNしかいねえじゃん、趣味わるっ。

「寄るな寄るな、むさ苦しい」

「えっ?」

どけどけ、と手を振って、先程突き飛ばされてしまったハリーの様子を見る。ハリーは床に這いつくばっていた。貧弱、貧弱ゥ!

「よいしょ」

肩を掴んで起こしてやると、ハリーが睨みつけてきた。なんだよ。私は何も悪くねぇぞ。しかしハリーの視線は非難めいている。はいはい、そんな見つめんなって。

「夏休みのうちに、ハリーと一緒にイケメンコンビ目指すことにしたから。ハリーへのダメージは肉体だろうが精神だろうが倍返しにする予定なんで、楽しみに待ってろや」

なっ、とハリーの肩へ腕を回したが、私の相棒兼弟は、はぁ?という表情で私を見ていた。意味分からんでもいいんだよ、ようはダリアがハリー虐めをやめたらしいと分かればいいんだから。
安心させるために今日も私が手ずから整えてやった頭をボンボンと叩いておいた。撫でるのの代わりだ。
さて、そんな事よりも子分?共への教育的制裁を考えねば。降って湧いたガキ大将の地位は有効に活用させてもらう。暴力でヒエラルキーが決定する餓鬼社会最高。

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