二次 | ナノ


▼ 06

とても今更だが、私自身の話をしようと思う。どうして児童書の世界の住人に私の精神が移植されたのか、何か原因が見つかるかもしれない。

身バレしそうだから詳しくは言わないが、私は西暦201X年の日本で公立高校に通う女子高生をしている。(していた、ではない。私は学校を辞めたつもりは断じて無い。)得意科目は英語、苦手なのは数学である。
住んでるところは、……東日本ですとだけ言っておこうか。

特殊能力だの特殊な経歴だのは一切無い。特に、異世界に意識を飛ばしてしまう原因になりそうなものは絶対に無かった筈だ。なぜ私が……うごごご。
強いて言うなら、性癖?同性にもムラっとくる、所謂バイセクシャルらしいが、そんなのが異世界行きの条件なら世も末である。マッポーアポカリプスめいた試練が私を襲う!
他にはライトオタな趣味?はたまた未だに抜け出せないマイナー志向系中二病(言っておくが邪気眼ではない。)、或いは軽度の男装嗜好……どれもたいした特徴ではない。もしかして異世界行きなんて稀によくある話なのかもれない……そんな馬鹿な。

……巫山戯ても仕方がないので、次。

家庭の事情は少々複雑である。まず、家族構成は父・母・兄・私・弟・妹の六人。弟までが母の連れ子で父とは血が繋がっていない。しかし、妹だけは父と母の間の子だ。
兄は4つ上でもう家を出ているし、7つ下の弟に血の繋がった方の父親との思い出なんて殆ど無い。家では私だけが少し浮いていた。それを感じるようになったのは妹が生まれたあたりで、はっきり露見したのはついこの前──母が倒れて入院した時からだ。一ヶ月も経ってない、本当に先日の話である。

母も兄もいない家は、真綿で首を締められているような閉塞感があった。多分私が勝手に感じていたものだと思う。
そして──あとは覚えていない。母の入院から日が経つにつれて記憶がぼやけている。異世界に来た弊害のように感じられた。

異世界に来て決して短くない日数が経ったというのに、家にはまだ帰りたくない。それに、何となく予感があった。私のこの気持ちは、多分私の異世界からの帰還に関わりがあるという予感だ。

ところで、もしもダリアの精神が入れ替わりに私の身体に入っていたら、私の人生\(^o^)/

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