二次 | ナノ


▼ 05

年少の身体で無理なダイエットは控えた方がいいだろうが、流石に135cm無い身長に対して50kg近い体重というのはヤバすぎる。
ピザは御免被りたいので、取り敢えず体作りを兼ねて軽い運動と食事の見直しをしていく方針を立てた。目標は身長(cm)−100cm。成長に合わせて無理のない計画にする。
とりあえず、私の主食は暫くサラダになりそうだ。

ウォーキング等の運動にはハリー少年をもれなく道連れにするが、食事の方は私と違って彼はカロリーと蛋白質の摂取をさせるつもりだ。一緒に人間を目指そうぜ。

本日窓の外は珍しく晴天。夏休み中で暇を持て余す私は、早速外を歩く事に決めた。タイミングって大事だよね。

「ママー、ミルクセーキつくってー」

無論ハリーに飲ませるものである。



さて、生まれて初めてミルクセーキを飲んだ事で少しばかりショック状態のハリーを連れて外へ出た。家の面するプリベット通りを真っ直ぐ行き、途中で曲がってぐるっと回って帰ってくるという大雑把なウォーキングスケジュールを実行するのだ。
どうせ体力は同じ程度に無い不健康体の子供同士なので、散歩程度だろうと目安をつけておく。

アイロンで常の癖毛を消し、きちんとした格好をさせれば、発育不良であってもハリーはそこそこ可愛らしい顔立ちだった。目立つ額の傷跡はヘアピンで止めた前髪で隠してある。

「ぐるっと散歩するだけだ。行こうぜ」

「うん……ねぇ、ダリア、何でわざわざ僕の髪を整えてくれたの?」

「え?ボサボサでみっともないから。」

寧ろそれ以外に理由があるだろうか、ないだろ。ハリーはどこか遠い目をしてははは…と棒読みで笑った。分かってましたよって顔してるが、ならわざわざ聞くなよ。いちいち説明してたら面倒だし、将来的に以心伝心してほしい。

夏休みの終わりには2kgが減っていた。健康的な減り方だ。ダリアは豚からデブへとレベルアップ(ある意味ダウン)した。やったぜ。
少し顔周りの肉が減ったことによって判ったが、ダリアの顔の造形って痩せれば美形じゃね?

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