二次 | ナノ


▼ 04

やって来ましたショッピングモール。なお、バーノン親父は娘の発狂ショックで寝込んでいるもよう。カラダニキヲツケテネー!

私の三日三晩に渡る説得の末、ハリー少年はようやくダーズリー家における基本的人権を保証される事になった。その説得は実際姑めいた陰湿な手法だったが、虐待児を救う為だから何にも問題ないよね!

そんな訳で今日は買い物である。私の手にはバーノン親父のゴールドカードが握られている。喜べハリー、好きなもの買えるよ。

ハリーの着るものやまともな日用品を一通り揃えてやると同時に、私も大量の服を購入した。何故かって?家にある私の服のことごとくが悪趣味なフリフリビラビラゴッテゴテのブランド服ばかりだからである。勘弁して。
取り敢えずは身体のサイズに合うシャツとジーンズという格好でいいだろう。高いやつ買っても文字通り豚に真珠だしな。

ついでにハリーの酷い癖っ毛をマシにするために、文明の利器も導入する。ヘアーアイロン(ストレート)である。
侮るなかれ、電動のアイロンはなんと1960年代には歴史上に登場しているらしい。私の今いるハリポタ世界は西暦1988年であるからして、勿論この便利な道具を手に入れることが出来るのである。

ちなみに、年号の話が出たから言っておくが、私とハリーは現在八才です。八才にして豚と鶏ガラ………ないわー。

概ねの買い物を午前のうちに終わらせて、私はペチュニアさんにファミレスでの昼食を強請った。

ダリアになってしまって早四日、身体としては問題ないが、精神的にはキツいイギリス料理から一時でいいから解放が欲しい。
ダーズリー家で出てくるのは脂っこい・味薄い・かたい・不味いという負の四拍子が揃ってしまった料理or茶菓子という究極の二択で、このままでは生活習慣病にまっしぐらである(あかん)
女性向けのヘルシー料理がおいてあるファミレスなのは無論確認済み。多少マシなら今は何でもいい……。
サラダとスープ、ライスをバランスよく食べて、ハンバーグと芋はお子様ランチしか頼んで貰えなかったハリーにやった。食べたまえよ。



帰りの車に乗り込む直前、ハリーが私の服の裾をそっと引いた。

「ん?」

何かあったのかと振り返ると、ハリーは少しだけホッとしたような?表情で私の顔を見ていた。何だよ。

「あの……その、ありがとうダリア」

最低限のものを保証しただけなのに礼を言われるとはこれ如何に?どういたしましてと返すには烏滸がましく思えたので、無言でハリーのくしゃくしゃ頭をさらにくしゃくしゃに掻き混ぜてやった。

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