二次 | ナノ


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その夜、グリフィンドールの談話室の片隅で、魔法の基礎概念について多角的視点から考察し理解を深める会、通称賢者のたまごの会、がひっそりと発足された。メンバーは私、ハーマイオニー、ハリー、セレマ、そしてなんとパーシー・ウィーズリーである。ちなみにリーダーはこの俺様。満場一致でこの俺様。

パーシー・ウィーズリーは、途中で私達の議論について来れなくなったロンが寄越した。セレマ以外の魔法族出身がいなかったので非常にありがたい存在だ。

「いやー良かった良かった。パーシー先輩来てくれてあざっした!」

ハーマイオニーとパーシーのお陰でめでたくマッチ棒を針に変えられたので気分がいい。締めくくりの挨拶としてパーシーに手を差し出すと、逆にがっしと握られた。

「いや、こちらこそダリア、今日はありがとう。君の魔法への解釈はとても面白かった。ハリー、ハーマイオニーも、凄い勉強熱心だね。これからもなにかあったら声をかけてくれ。
セレマ、」

セレマは流石に近寄り難いのか、パーシーはセレマと握手しようとは思わないらしかった。
ぼけっとそれを見ていた私は、パーシーの放った言葉に驚くこととなる。

「セレマ、きみ、もしかして、魔術師の家系だろう」

セレマに視線を滑らせると、彼女は曖昧に笑っている。それを肯定ととったのか、パーシーは話を続けた。

「君の用いる魔法解釈は、僕達魔法族のものではない。けれどマグル生まれのものでもない。
マグル生まれの解釈はハリーやハーマイオニーのように想像力で補うものが多いし、稀有な例でも多分、ダリアのように古代の哲学やマグルのつかう"化け学問"を流用するだろう。ダリアはその他にも変な考え方を入れているみたいだけど。
でも君のそれは、完全に魔術と超自然界の中で培われる感覚に基づいてるんじゃないか?つまり、君は魔法使いじゃなく、魔術師だ」

熱を帯びた視線で食い入る様にパーシーはダリアを見ている。私は固唾を呑んで、ハリーとハーマイオニーは混乱した表情でその展開を見守った。
セレマはやはり泰然とその視線を受け入れていたが、やがてそっとその薄い唇を開いた。

「正解であり、不正解でもあるでしょう。ホグワーツで教え、或いは学べる魔法解釈と異なる事は確かです」

曖昧に濁した言葉だったが、セレマがエルフとのハーフだと知っている私にとってはそれは嘘でもない。

「………あぁ、そうか。国外の魔法使いも、解釈は異なる可能性があるのか………」

そして、パーシーは別の方に解釈した。取り敢えずセレマが自分の素性を明らかにするつもりが無いことは、わかった。

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