二次 | ナノ


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さて、組分けの話であるが、私は三秒だけ帽子にウームと唸られてからグリフィンドールに入れられた。君にとっては何処でも同じ事とさえ言われた。うるせえ。

その他セレマを除いて聞いたことのある名前は全て聞いたことのあるとおりの寮へ組分けられていった。ドラコがスリザリンと言われてホッとしたような、複雑な表情をしたのを記憶しておく。

セレマは…………帽子が叫んだ。ほぅわっ!とかいう声が聞こえた。
その後随分長いこと帽子はブツブツとやって、漸くグリフィンドールと絞り出すように叫んだ。やっぱ魔術師の半エルフが入ってきたとなると驚きも凄いのだろうか。

あの美貌の日本人は居なかった。上級生なのか。ますます嫌な予感しかしない。出来る限り大広間を見渡したけど、千人近くいる中から見つけ出すなんざウォーリーを探せよりむずいってーの。

会食は良くも悪くもイギリス料理で、まぁイギリス人が調理してないからか何事もなく堪能できた。焦げてない、パサパサしない、それだけで肉が驚くべき美味さとなる事をペチュニアさんはいつになったら分かってくれるのだろうか。他は美味いんだけどってか美味くなったんだけどなー。かぼちゃジュースうめぇ。
映画版と原作版が混ざりあった入学式は特に退屈も無く終わり、(ホグワーツ校歌に関しては、お経のリズムで唱え………口ずさんでおいた)、立入禁止区域のお知らせがあって、ハリーの頭痛は何処へやら、寮にとっとと案内された。
途中ピーブスがいた気がしたが、なんかセレマを見てすっと消えていった。
女子の寝室へ上がる私に、そうだよなぁダリアってどう考えても女の子の名前だよなぁと言ったロン、明日ほっぺぐりぐりの刑だから。



最初の授業というものは須くその説明から入るようで、生徒達は教授の言ったことを自力で書き取り、シラバスを作らなければならなかった。作っとけよんなもん。

そして初めの数日、ハリーは注目の的だったが、本人は寧ろ属するグループが悪目立ちしている事を重々理解していたので、特に気にした様子もなかった。
まずハリーはウィーズリーの末弟とマルフォイ家の嫡男に大体挟まれていたし、一緒にいるのはマグル生まれの私で、しかもそれがイトコだということは直ぐに広まったし、セレマも概ね一緒に行動していたから、一躍奇妙な集団として有名グループに躍り出る事となったのである。
さて、それでも学業的には恙無くオリエンテーションが済んでいたのだが、その例外は魔法薬学だけだった。

ぺらぺらと授業概要なのかなんなのか分からない事を並べ立てた魔法薬学教授、スネイプせんせーは、ちらっとハリーをみて、まずむっつりと口をへの字に曲げた。
ハリーは優等生よろしく大学ノートにシャーペンで今の概要を書き取っていたし、視線はスネイプ教授に固定されていたから、文句の付けようも無いらしい。
実際の所、ハリーは化学に興味のある人間だったので、魔法薬学には熱心な態度で予習していたし、授業も楽しみにしていた。黒のローブに身を包んだスネイプせんせーに対して、分かり易い魔法使いの像として好奇心を顕にしていたし、それはもう、なんというか、ちょっとスネイプせんせーが戸惑っちゃうくらいには魔法薬学を楽しみにしている生徒だったのである。


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