二次 | ナノ


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そんな訳で9月1日は朝っぱらから最悪な気分だった。
手合わせで容赦とか何も考えずにハリーを投げたら、流石に八つ当たり去れていると気付いたハリーが切れて取っ組み合いである。私五つ以上も年離れたガキに何やってんの。

しかし久々にキレたハリーも容赦なく私の腹ぶん殴ったし、私は元よりその積もりだったのでハリーの頭ぶん殴ってぶん投げた。
これ以上やると怪我をするな、と互いに思い、私は普段ペチュニアさんが丁寧に世話をしてる木の幹をおもくそ蹴りつけたし、ハリーは裏に回ってサンドバックに八つ当たりをしていた。

なんだかむしゃくしゃする。

「ファック!」

悪態つきながら幹が傷付く直前まで木を蹴り続けた。





ぶすっとしながら助手席に乗った私と、ぶすっとしながら後部座席に乗ったハリーに夫妻は気まずそうにしていた。
娘が突然キレて、手頃なハリーに八つ当たりしたのは当然見てとれたのか、何も言わない。

そうこうしてる内にキングズクロス駅に到着する。

旅行用のトランクとボストンバックを自分のカートにあまり丁寧ではない力で放り込み、ハリーも視界の端で同じようにしてるのを見ながらダーズリー夫妻に向き直る。

「………じゃ。」

それは、私からは想像もつかないほどに呆気なく、また不作法な別れの一言だった。

ペチュニアさんがまたわあっと泣いて、
そんで、
私はぶちぶちっと機嫌を更に悪くした。

「何でそうやって泣くんだよ!」

気付けば怒鳴り散らしていた。
もう何なんだ。

今まで親にも、夫妻にも怒鳴った事なんて一度も無かったのに。

ビクッとしたペチュニアと、おろつくバーノンに只管苛立って睨み付ける。
と、ハリーが私の横っ面を張った。

おおう。

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