二次 | ナノ


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「にしても随分抽象的だな」

「そうだね…」

炎の要素と魔力を練り、具現させる為にそれを杖を通して放つ……基本的な火炎呪文の説明文だ。
魔法界に魔法を体系化させるという概念は全くないのか、似たような理論を用いた魔法(魔力と要素比の違いとか、杖の振り方とかそこらへん)なのに呪文が全く違うとかマジ面倒臭ぇー。
しかし魔法分類をしていて判ったが、密集している魔法群と点在するような魔法群とが存在する。

「意味わかんねー…」

魔法族の適当さに苛つきを覚え始めると、『魔法論』を読んでいたハリーが私の名を読んだ。おう、どうした?

「『現代に続く魔法学校における魔法理論、魔法式は偉大なる魔法使い達が組み上げた魔法を魔法省へ発表したもののみが認可され、後世へ伝えられている』」

………魔法学校じゃあ、自らの利便性の為に開発した魔法を魔法省に提供した奴のものしか教えないんだな、アホか。

「そりゃ訳わかんねーチョイスにもなるわなぁ」

そして一つの使い方さえ覚えれば後はいらねぇらしいから、また変な方向の魔法ばっか出来上がってくと。
道理で実用的なもんが多い訳だ。





それでも基礎的な所はやっておいて損は無い。魔力と要素を比率に沿って練り、頭にイメージを描いて練ったものをコントロールしながら杖に流して押し出すと、大抵の初歩魔法は出来上がるんだから楽だ。
しかし、それよりももっと簡単だったのが魔力をそのまま押し出す系……私とハリーが名付けた所の魔力具体系魔法、そな初歩である。
魔力の塊を放ち、魔力の塊で防ぐ…というような。

魔力コントロールの訓練には持ってこいの上、杖いらねぇ。

組み手とこれが組合わさるのは早かった。

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