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「そうでーす」
「全部ここで揃いますよ……もう一人お若い方が丈を合わせているところよ」
店の奥の方にマルフォイさんちの坊っちゃんを発見した。おうおう、白いねぇ白いねぇ。ハリーが先にその隣の踏み台に立たされる。
「やぁ、君たちもホグワーツかい?」
「うん」
「そうだぜー。君、一年?」
「ああ、そうだよ」
「お、じゃあ友達一号は君だな!よろしくー」
「え?え、ああ、よろしく…?」
「テンション低いね、いやダリアが高いだけかな?僕もテンション上がってきたけど」
相方も結構乗り気である。よーしペースは掴んだ。
「しかしなんか、君慣れてる感じだなー。もしかして名門?寮とか大体決まっちゃってる系?」
「あ、ああ。僕はマルフォイ家さ。寮はスリザリンだろうね」
「スリザリンか。蛇かっちょいいよなあ。私もこっちの相方も爬虫類好きでさ」
爬虫類館みたいなのって魔法界じゃあんま聞かねぇからさぁ、マグルのとこ行ってきたよ。
ぴくり、と反応したマルフォイに邪気無くにっと笑いかけ、そういや君名前は、と話題を転換させる。
「僕?僕はドラコ。ドラコ・マルフォイ」
「へぇ、ギリシャ語だかでドラゴンの意味だったよな!かっちょいいねぇ!私達はまだ本物見たことないんだけど、たしかマグルの空想上のドラゴンと殆どおんなじなんだって?
ああ、そうだ。ここらのマグルはドラゴンを悪と見なす傾向が強いが、東洋の方じゃドラゴンは神の使いで神聖なもの、水を司る神だったりするし、そうだな、ドラゴンの眷属に蛇は位置しているとされているんだ。
知ってたか?」
「…………い、いや。詳しいね。」
隣でハリーが弾丸トーク、と呟いた。
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