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暇だ。暇だわ本当。
銀行の手続き、奨学金についての書類書いたらそれで終わり。その間にハリー達は地下トロッコに行ったから、待ち時間は恐ろしく暇。
FFやりたい進めたい………
「…………ん…」
あれ。
今の、
ぼけっとロビーを眺めていたのも束の間。
視界に飛び込んできたその子供に、思わず音を立てて席を立ち上がった。
多少冷たく感じる程精巧に整った顔の、日本人。
綺麗に整い過ぎて女か男かも分からん。
まあ、何でこの私がこんな慌てようで席を立ったかと言えば、そいつの顔が、私の世界の方にいた物好きにそっくりだったからである。えー、マジかよ。
他人の空似であるならは中身だけは似るなよと願いつつ、私はナイスタイミングで帰ってきたハリーの方に早足で歩いた。
音立てて立ったから悪目立ちしてるんです、はい。
冷淡綺麗な顔の日本人は、私に気付く事なくダイアゴン横丁へ先に紛れて行った。
「………ダリア?」
うお。ハリーの事頭から吹っ飛んでたわ。声を掛けられて少し驚いた。
何でもないよ、とハリーには首を振る。意識はまだ、あの日本人が消えて行った扉の向こうのダイアゴン横丁だった。
トロッコ酔いしたハグリットと一旦別行動して、入ったのはマダム・マルキンの洋装店。映画ではカットされてたので印象は薄いが、多分此処での出来事次第で幾つかのハプニングが解消出来んじゃなかろうか。ドラドラフォイフォイとか。
マダム・マルキンは藤色っぽい太めの魔女でした。えぇー。私のテンションは微妙に下がる。
「坊っちゃん方、ホグワーツなの?」
テンションは急上昇である。坊っちゃんだって。坊っちゃんだって!いぇあ!…心中でテンション上がりすぎたのがハリーには駄々漏れなのか、肘でつつかれた。正直すまんかった。
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