二次 | ナノ


▼ 33

カチリ。長身が12を指す音が静寂の中聞こえ、その次の瞬間には異常がやって来る。


ドーン、という、小屋中を震わす大きな衝撃音。私もハリーも思わず息を飲んだ。

「何?」

「さぁ…?」

もう一度その音がビリビリと響く。
隣の部屋で何かをひっくり返す音が聞こえて、バーノン親父がライフルを手に飛び出して来た。
日本じゃ見られない光景だライフルktkr!

「誰だ、そこにいるのは!言っとくが、こっちには銃があるぞ!」

バーノンさんが上げた喚き声に、思わず顔を顰る。一瞬の空白の後、ドアが煩い音を立てて床に倒れた。

戸口から大男がログインしました。

まてお前、デカ過ぎるわそりゃ。ひくり、と頬が引き攣る。
窮屈そうに小屋へ入ってきた大男は、ドアをバチンと元の枠へ嵌め込んで、私含む愉快なダーズリー一家を見回して、言った。

「お茶でも入れてくれんかね?いやはや、ここまで来るのは骨だったぞ……」

……は…?

この大男の正体は知っている私だが、今の言い草にはカチンと来た。お茶が入れられるなら私が飲んでるし、お前客でも何でもないだろ。
それに、ここまで来るのは骨だったって、誰も呼んでないぜ?勝手に追っかけて来といて、そりゃねえだろハグリッド。

心の奥底がすっと冷えた。
私の機嫌が急下降、そして底辺へ。
残忍な気分で口の端を上げた私を、ハリーはびくっとして見つめる。

何も知らないハグリッドは私の方へやって来て、「少し空けてくれや」と宣った。
私は多分、そのとき笑っていた。凶悪な笑顔で、青筋位はこめかみに浮かんだかもしれない。とにかく苛立ちはそのままだった。

「床にでも座れば?お前、客じゃないんだから」

ソファに踏ん反り返って挑発する。
ハグリッドは気にした様子も無く、ハリーを見付けてぱっと笑い「オーッ、ハリーだ!」と言った。

prev / next

[ back to top ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -