二次 | ナノ


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私も何だと言うんだとは言えなかった。
流石にあんな事があった後に和やかに動物園を見ることは出来ないから。無理。普通に無理。


「パパ、ママ、帰ろう。ピアーズの殴られたとこ見なきゃならないし、家でボードゲームでもやって、晩御飯には美味しいもの食べたいな。」

だから私はペチュニアさんに乗る形で今日の代案を出した。
というか、私は晩飯にケーキが出りゃ誕生日なんて満足出来るのだ。祝って貰えんのは嬉しいけど一日かけて祝うのも「そこまでしなくても…」と思うし、おじゃんになっても駄々をこねるような年ではない。私としてもダリアとしても。





帰りの車はお通夜みたいな雰囲気だった。親が黙りこくってるからハリーもピアーズも黙るし、私は暇である。しかし誕生日祝うつもりの奴らがお通夜ってどういう事だ。
まあ、そのくらい衝撃的だったし仕方ないかもしれない。

さて、それは置いとくとして。
ハリー監禁ルートを避ける為に、ちょっとハリーは無罪アピールをするか。
………もしかすると、本当にハリーではないかもしれないし。
卒業式くらい出させてやりたくなるのはそれなりにハリーを大事にしてるからなのか、それともハリーが閉じ込められたら私が退屈だからなのかは前者が勿論建前である。

「……パパ、ママ」

「なんだねダリア」

「ハリーも私も、ちゃんと強くなったよ。パパとママが師匠のとこ通わせてくれたから。」

聞いてよ、と不良を倒した事を誇らしげに語ってみる。ピアーズとハリーには黙っていろとアイコンタクトをしながら、少しだけ脚色をして。

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