二次 | ナノ


▼ 19

「…………小僧。日本は、どうだった?」

「え、と。アー……凄く、活気があって、…少しごちゃごちゃしてた。
イギリスとは…全然違くて……
山が凄かったよ。同じ山の筈なのに、雰囲気が全然違ってた。

自然で静かな綺麗さがあった、よ」


ぎこちなく話す父親とハリーを、緑茶を飲みながら睥睨する私。
いつの間にか私の傍に立つペチュニアさんが、困ったような顔をしているのも実は知っている。

バーノンさんとハリーの間には、実はくだらない隔たりしか無い。その隔たりは、私……つまりダリアが突き崩せは簡単に崩壊する。
踏ん切りがつかないのは、どちらかといえばペチュニアさんの方だ。
血が繋がっている事、リリーさんの事……。あー、面倒くせぇな。

『…いい年こいた大人が、情けない……』

日本語で呟いて緑茶をまた飲む。
所詮、私には関係無い事だ。
私がいつか元の身体に戻った時、この家庭は私と一切の繋がりが無くなるし。つーかどうでもいいし。
みっともないから止めさせるけどさぁ……正直に言うと面倒くさ過ぎる。うぜっ。


この日を境に、ハリーの冷遇は徐々に無くなっていく訳だが。
私はそんな事よりあと数kgの体重をどのように落とせばいいか考えるのに忙しいので、その辺は割愛する。

そういえば、いつ元に戻れんだろう。
………まだいいか。まだ、父や妹の顔は見たくない。

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