I found you.


それは所謂一目惚れというものだっだと思う。

まるで世界には俺とその人しかいなくなってしまったんじゃないかと錯覚するくらいに、周りの音が聞こえなくなってその人しか目に入らない。

よくあるカフェの大きな一枚ガラスの向こう側に彼はいた
黒い癖のある髪に、翡翠色の瞳。
男らしく筋張った手がコーヒーカップに添えられていた。
黒いニット帽に黒いジャケット、黒いスラックスでまるでとあるアニメに出てくる真っ黒な生き物のように全身真っ黒だったがそれすら魅力に感じてしまって。

彼の名前も、素性も何も分からないけれど一つだけわかったことがある。
彼の隣にはボブぐらいの髪の長さの落ち着いた雰囲気の女性がいた。

彼とは生きる世界もましては自分とは交わることのない道をゆく人なのだと突きつけられたようだった。




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