サイコパスのような次男


「おっと、口がすぎるぜ、レディ」
「カラ松くん…」
「ハニーの朝露に濡れた艶めく唇はオレへの深い愛の旋律を紡ぐためにある。そうだろう?」
「…カラ松くん」
「いや、すまない。オレがいけなかったな、ハニーを不安にさせてしまった。…なにも泣くことはないだろう、大丈夫、オレが愛しているのはハニー、お前だけだ」
「…なんで」
「愛しているよ」
「…どうして」
「フッ、お返しはもらえないのか?…言ってごらん、さあ」
「カラ松くん」
「照れることはない。ここにはオレたちしかいない。上手に言える方法を教えてやっただろう、同じように言うんだ」
「…あいしてる」
「あぁ…そうだ。ハニーの柔かな唇を彩る鈴の音には、その言葉が似合う」
「あいしてる。…だからカラ松くんお願い、もう」
「ああ、分かっている、もちろんだ。オレも愛してるよ」
「……あいして」
「大丈夫、なにも心配することはない。…なにも。ハル」




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