「かなり気に入ったみたいだな、それ」
「うん!!可愛いし気持ちいいし…最高だよ!!」

吹雪はさっきからずっと俺が買った白熊の人形を抱きしめて頬摺りをしていた。俺が持ったときは別に気にしていなかったが、この白熊の人形…吹雪と同じくらいの座高だ。元々、吹雪が小さいだけなのだがこの人形と並ぶと本当に小さく見える。

「あと5分か…」
「ん?何が?」
「日付越えるまで」

今日が終わり、明日を迎えた瞬間…お前はきっと…

「あれ?何か…人数減った?」
「すぐ帰って来るさ」



きっと…











0時を示す店内の時計が鳴り響いた時、ガラッと店内のドアが開いた。











「「「吹雪、お誕生日おめでとう!!!」」」









「…………ぇ」
「HAPPY BIRTHDAY、吹雪」
「………え」


ぽかんと俺の顔を見たり外から入ってきた円堂を見たりと状況がわかっていないようだった。 


「今日って…誕生…日?」
「あぁ」
「僕の…?」
「あぁ」
「ぁ…ふぇ…っ」

吹雪は抱きしめていた人形に顔を埋めた。そして、俺の方にこてんと倒れてきた。

「僕…こんなに、っ…幸せでいいのかな…?」
「人間は幸せになるために生きるんだ。いいに決まってる」
「アツヤに…怒られないかな…?」
「大丈夫、アツヤも祝ってくれてる」
「うん…、……うんっ…!!」






「ありがとうみんなぁ…!!ぐす、…僕、僕…ぅああぁぁあああああああー…!!」






今日がお前にとって忘れられない日になりますように…









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