…12月21日

「なぁ、響木監督の許可は取ったか?」
「あぁ。24日は店を休んでくれるってさ」
「じゃあ、ケーキはどうしようか?」
「それならマネージャー達がやってくれてるって」

とりあえず、今終わっていることを紙にまとめる。ん、大体終わっているようだ。

「吹雪、喜んでくれるかなー?」
「多分、最初は理解できなくて呆けるんじゃないか?」
「まぁ、こういう贅沢もいいんじゃないか?二次会みたいなノリでやればいい」
「綱海だな!!」
「ノリってとこだけな」

それから俺達はあーでもないこーでもないと、吹雪の為に色々な意見を出し合った。すると、どこからか帰ってきた吹雪が此方に近づいてきた。

「豪炎寺っ…!!」
「あぁ、わかってる」

スッと計画表などの紙を机の中に入れる。

「何話してるの?」
「年末のことについてだ。正月何するか話してたんだ」
「へぇ…」

吹雪の視線は俺の机の中をずっと捉えていて離さない。バレているのはわかっているが、この計画だけは吹雪には知られたくない。せっかくのサプライズが台無しだ。

「それにしても、今日は一段とさむいなー。凍え死にそう…」
「円堂は寒がりか?」
「そうだなー寒いの嫌い。鬼道は?」
「俺も苦手だな」
「僕は暑いのが嫌いだなー」

なんとか話をそらせたようだ。円堂ナイス!

「豪炎寺君ってあったかそうだよねー…」
「ん?そうか?」
「うん、一緒に寝たら気持ちよさそう!」

俺は猫か……そうだ、

「吹雪、ちょっと此処座れ」
「え…いいの?」

吹雪に座れと促したのは俺の膝の上。膝の向きを変え、吹雪が座りやすくする。

「じゃあ…失礼します…」

吹雪の太股と俺の太股が密着する。まぁ、なんというか…緊張する

「座高が高くなった!!」
「吹雪…お前、低いな」
「失礼な!!これでも身長伸びてるよ…多分」
「いや、まぁ…それもあるが」
「あるじゃないか」
「違う、体温だ体温。お前体温低いな」

吹雪を俺の胸に凭れさせるよう引っ張り、そのまま腰に手を回す。

「んー、僕低体温だからねー。あったかくないでしょ?」
「しばらく密着してればあったかくなるだろ」

円堂と鬼道が雑談を始めた横で、俺は吹雪を抱きしめている…というのが今の状況だ。こいつら、見て見ぬ振りなんてして…まぁ、ありがたいとは思うが…なんか呆れられてる気がしないこともないような気がする。

「ん…」
「吹雪?」

ゆらゆらと前後に揺れだした吹雪。まさか…

「豪炎寺君…あったかい…眠くなってきたー…」
「…そうか」

吹雪が寝やすいように完全に俺に身体を預けさせ、吹雪の肩に顎を乗せる。そして、ポンポンと軽く腹を叩き続けてやれば…

「…んぅ…」
「………」

吹雪は夢の中だ

「あれ?!吹雪、寝ちゃったのか?!」
「豪炎寺は体温高いからな。眠くもなるだろう、そんなリラックス体勢だったら」
「あぁ、それに俺も眠くなってきた」

吹雪をぎゅっと抱きしめたときのフィット感が堪らない。特にくびれのあたりが。

「俺もちょっと寝る。授業始まる前に起こしてくれ」

俺はそのまま壁に寄りかかる。うん、壁側の席でよかったと今思った。


そして、俺も眠気に勝てず浅い眠りに落ちていった。










「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -