日が暮れるのが早くなってきた秋の中頃、雷門中はもうすぐで期末考査を迎えようとしていた。FFIを終えた後、県外組の綱海は推薦で雷門高校に合格し、木暮と吹雪は雷門中学に編入した。再来年の春からは立向居も雷門に来るらしい。あいつらが来てから毎日が楽しくてサッカー部もかなり雰囲気が変わった。
そして話は戻るが、もうすぐで期末考査。部活は一週間前から停止中でみんな勉強に励んでいる。テストまであと3日…受験生の俺達はこのテストに内申がかかっている。っと言ってもエスカレーター式の雷門ではただのクラス編成の資料として集められるだけなんだが…。受験生じゃないしな。
まぁ、それは置いといて…問題は吹雪だ。吹雪のいた白恋中は普通の市立の中学校に比べて授業数が少ないらしい。冬は特に体育の授業が多くて他の授業はそっちのけでウィンタースポーツをするらしい。北海道らしいが、それはこっちではかなり危ない。まぁ、簡単に言うと吹雪は雷門の授業スピードについていけてない。そして、今回のテストはかなりヤバいらしい。ということで、鬼道は円堂に俺は吹雪に勉強を教えることになった。で、結構付きっきりで勉強を教えている。吹雪はかなり真面目な性格だから円堂みたいに逃げたりはしないから楽だ。
そして、話は戻って今現在…
「おい、吹雪。帰るぞ」
時刻は6時前、俺は先生にプリントの整理を押し付けられて今先生に渡し終わった後だった。吹雪には『俺が戻るまで自学してろ』と言い残して職員室に向かったのだが…
「ん…」
「………」
吹雪は寝ていた
気持ちよさそうに寝ている吹雪の横の椅子に座って寝顔を鑑賞してみることにした。
「(頑張ってたもんな…)」
ふわふわな頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに微笑む吹雪が恋しくなる。
「ん…すぅ………」
可愛いな…と口に出しそうになるが、必死に堪える。確実に今の俺はかなり気持ち悪い。ただの変質者だ。何故なら、口元が緩みまくっているからだ。手で押さえないと叫んでしまいそうだ。
「そろそろ、…起こすか」
可哀想だが、時間が時間だ
戸締まりをして早く下校しなければ
「吹雪、起きろ」
「んー…やぁー…やぁーだぁー」
「吹雪…起きないとキスするぞ」
「にゃうー」
にゃうーってなんだよ
「ちゅっ…」
「???!!!!」
にゃうーが可愛いかったから我慢できず、言った通りに吹雪の唇にキスをした。
「な、な、なっ???!!にゃにすんのさぁああーーーー!!!はぅっ!!??」
舌が回ってない。寝起きだからか?
「フッ…猫みたいだなっ…ぷっ」
「つぼらなくていいから!!!」
ぎゃんぎゃん吠えまくる吹雪の頭を撫でながら、笑いを堪えていた。
「ほら、帰るぞ」
「豪炎寺君酷いよ!!き、キスは…テストを頑張った後の…ご褒美として我慢してたのに…!!」
「そうだったのか?!」
あぁ、だから最近抱きつくだけでキスはしなかったのか…
「すまん吹雪…」
「やだよ、許さない」
「…テスト終わったら土日にデートしよう」
「うん、許す」
早い…
吹雪の機嫌を直すには俺が吹雪に付き合ってやればそれで解決する…ということを最近理解した。
「本当に…可愛いな、お前」
「??」
吹雪は上目遣いで「なにが?」という目をして俺を見ている。
そうだ、今日は吹雪の家に行って一緒にご飯を食べよう。そして、付きっきりで勉強を教えてテストに備えよう。
そんなことを考えながら、俺は再び吹雪の唇に食いついた。