「今日からキャラバンに『マネージャー』として参加することになった吹雪です。よろしくね」
「「「「……え?」」」」
昨日、遂に円堂君達はジェミニストームを倒した。僕の特訓で必殺技を完成させた染岡君のワイバーンクラッシュで2点をもぎ取り勝利を収めた。しかし、ここで宇宙人退治は幕を降ろさなかった。
新しいチームが僕達の前に現れたんだ。チーム名はイプシロン。円堂君達が倒したジェミニストームよりかなり強いチームだそうだ。そして、円堂君達はまたキャラバンに乗って宇宙人退治の旅へと出ることを余儀なくされた。
「吹雪…え、マネージャー??」
「うん、マネージャー」
マネージャーは3人もいるのにって思ってるんだろうなぁ。でも、いつになるかわからないけれど僕はマネージャーとしてじゃなくてサッカープレイヤーとしてこのキャラバンに参加するときが来る。その時まで、僕はフィールドの外からこのチームを見ていることにした。それが監督さんに出した条件だった。
「吹雪、一ついいか?」
「何だい?鬼道君…」
キャラバンに乗ろうとしたとき、鬼道君が質問してきた。僕は一旦入口の段差を降りて彼と一緒に外へ出た。
「お前、サッカーをする気は?」
何を言っているのだろう?僕は『マネージャー』として参加するって言ったはずなのに。答えは勿論決まっている。
「ないよ。今はまだない」
愛想笑いを貼り付けて鬼道君の質問に答えた。だってまだ、その時じゃない。
「…そうか」
「うん」
「悪かったな。しつこくて」
「ううん、いいよ別に。まぁ、一人でも多く戦力が必要だもんね」
しょうがないよーって言いながら僕らはキャラバンに乗った。僕の後ろで鬼道君が何か言ったような気がしたけれど聞き取れなかったから僕は気にせず座席に座った。
「吹雪敦士…どこかで似たような名前を聞いたような…」