「っ熊?!」
「どうして?!」

山オヤジはどんどん僕達に近づいてきている。どうしよう…この山オヤジ、僕達を食べる気だ…!!目に映している僕達の存在がどうかなんて長年の直感でわかる。

「っ秋?!」
「春奈ぁああ!!」
「夏美!!大丈夫か!?」

円堂君達に気づかれたみたい。
早く狩りたいのは山々なんだけど、マネージャーさん達の安全が優先だ。熊はゆっくりと確実に僕たちの方に近づいてきている。





「秋ー!!」
「待て、円堂」
「なんだよ鬼道!!止めるなよ!!お前は音無が心配じゃないのか?!」
「心配に決まっているだろ?!…しかし、あいつに任せてみないか?」
「え、」
「吹雪のガセではあったが異名は沢山あっただろ?『ブリザードの吹雪兄弟』『雪原の皇子』そしてもう一つ…















『熊殺しの吹雪』…!!











「いいかい?熊が襲ってきた瞬間、君達は左右にはけて全力で逃げるんだ。わかった?」
「吹雪さんはどうするんですか?!」
「置いてなんて逃げれないわ!!」

スノーボードから足を外し、ヘルメットも取る。…この熊結構大きいなぁ。届くかな?

「僕はこの熊を追い払わなきゃ。このまま白恋中に来られたら大変だからね」

白恋中に来なくても、生徒が下校中に遭遇する可能性だってある。熊除けの鈴を持っていても遭遇したら意味がない。

「まぁ、こういうのは僕の仕事だし大丈夫だよ?」


うなり声を上げながら山オヤジはどんどん近づいてくる。あと3メートルくらいで僕達の側へとやってくる。

「もうすぐで来るよ…」
「でもっ…」
「…彼に従いましょう」
「夏美さん…!?」

1人のマネージャーさんは僕の言うとおりにしてくれるようだ。ありがとうとお礼を言っている間に山オヤジが僕達に飛びかかってきた。

「きゃっ…」
「っ…!!」
「行って!!!」

そう言えばマネージャーさんたちが左右にはけて逃げ出した。これで僕の周りには誰もいない。そして、自分に飛びかかろとしている無能な山オヤジ…。






さぁ、狩りの時間だ






「ーーはぁっ!!!」

身体を左にずらし、くるんと一回転しながら山オヤジの喉に回し蹴りを入れた。カウンターというやつだ。いつもよりかなり大きい熊だったからつま先に少し痛みが走った。熊の喉からはミシッなんて音が聞こえたけど、骨は折れてないはず…多分。
山オヤジはそのまま吹き飛んで林の中へと強制送還された。





「………ふぅ」

今回の山オヤジは結構重かったなぁなんて思ってると円堂君達が飛んでやってきた。


「すげぇ!!すげぇよ吹雪!!なんで?どうしてサッカーしてないんだよー!!熊ぶっ飛ばすくらいすごい脚力なのに!!」
「あはは、よく熊退治とかやってるしね。これくらいできないとね」
「円堂に同感だ。吹雪、今からサッカーしても遅くはない…俺達とサッカーしないか?」
「え?!…僕は…」

これ不味い…非常に不味い…
どうにかして断らなきゃ…えーと、えーと…




「吹雪くん!!急いで教室に戻ってきて!!」
「え?どうしたの?荒谷さん…」

急いで来たようで荒谷さんの息は上がり、頬は冷気によって赤く染まっていた。










「宇宙人が…くるの…!!!」




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