「豪炎寺…く、ん…取り消しにしよう?ね?」
「吹雪…約束だろ?」
「いや、本当に勘弁してください。僕、恥ずかしくて死んじゃうよ…」
「いいじゃないか、













自慰くらい」

「よくないよ!!!!!」


何でこんな事になったのかと言うと…それは数十分前のこと…



FFIの真っ盛り、僕は豪炎寺君の部屋に遊びに来ていた。豪炎寺君はいつも夕方までの練習が終わるとお風呂に入り、ご飯を食べた後はそこからずっと勉強をする。それが豪炎寺君の日課らしい。そして、僕は彼の勉強が終わるであろう時間帯に遊びに来て終わってなかったらテレビにイヤホンを取り付けて豪炎寺君の邪魔にならないように暇を潰していた。


僕が悪かったんだ。
テレビで不意に『野球拳』という言葉が出てきて、気になったから豪炎寺君に質問したんだ…



『野球拳って何?』って…




盛大に缶コーヒーを吹いてたからね…豪炎寺君…。で、豪炎寺君が野球拳ってものを教えてくれて面白そうだったから興味本位で二人でやってみたんだ。

「まさか…こんな事になるなんて…」
「吹雪、おまえジャンケン弱いな」
「豪炎寺君が強すぎるんだよ!!」

特別ルールとして、全裸状態になって再びジャンケンに負けたら勝者の命令を聞くという条件が加えられた。

僕は1勝…ジャージを脱いでもらった。豪炎寺君は6勝…僕は全裸になり、豪炎寺君の命令を聞かなくてはいけなくなった。で、その内容が『自慰すること』だった。

「僕、普段そんなことしないからやり方分からないよ…」
「大丈夫、なんとかなる」
「ならないよ!!!!」

ううぅ…視界が歪んできた…泣きそう…


ただでさえ、全裸状態で恥ずかしいのに…そこから…じっ、自慰だなんて…


僕はベッドの上で身体を布団で隠している状態だったが、布団を豪炎寺君に剥ぎ取られてしまった。

「ぁっ…う…」
「ほら、見ててやるからやってみろ」
「は、恥ずかしい…」
「じゃあ、目を瞑ってやってみろ」

うーん、…まぁ、そっちのほうがマシだけど…

「豪炎寺君が瞑ってくれないの…かな?」
「手淫のやり方知らないだろ?目を瞑ったら教えられないから駄目だ」
「うぅ…み、見よう見まねで出来るよ!!」

いつも身体を重ねてる時、豪炎寺君が僕のモノを扱うようにしたらいいんだよね?

「ふっ…説得力ないな…」
「うぐっ…」
「じゃあ、3分間目を閉じててやるからその間にイってみろ。イケなかったら教えてやる」
「う、ん…わかった…」

僕はその提案を承諾した。
















と、言っても…

「(どうしたらいいんだろう…)」

僕は豪炎寺君のベッドの上。豪炎寺君はそのベッドの側で僕の方を向いて胡座をかいている。勿論、目を閉じて。

「(は、早くイかないと…豪炎寺君に見られながらイかなきゃいけなくなる…)」

それはかなり避けたい。


僕は意を決して自分の性器を手にした。


「っん…(えーとえーとっ…)」

豪炎寺君との行為を思い出すんだ…!!豪炎寺君はたしか、こう…手で上下に…

「…ん」

あ、れ? 

あんまり気持ち良くない…

上下に擦り続けても濡れてこないし、勃起してもこない…

「(なんで?どうして?…豪炎寺君にヤってもらうみたいにらない…)」

「〜〜っ」
「吹雪」
「へ…?」

自分の性器から目を離して目の前にいる豪炎寺君の方へと視線を向けた。豪炎寺君はまだ目を閉じたまま。

「どうした?イけたか?」
「んーん…まだ…まだだけど…ふぇえ…」

よくわからない悲しさと寂しさが込み上げてきた。目からはぼろぼろと涙が落ちていく。

一人でヤりたくない…


「ふ、ぅうう…やだぁ…ごーえんじくん…ごーえんじくんっ…」
「吹雪?!」

いきなり泣き出した僕に驚いているのだろう。豪炎寺君は立ち上がって僕の横に腰をかけて抱きしめてくれた。

「悪い…そんなに嫌だったか…我が儘言ってごめんな…」
「違う…違うんだ…」

豪炎寺君の胸の中でふるふると首を左右に振る。豪炎寺君の胸の中は…あったかいなぁ

「ごうえんじくんが…側にいるのに触れてくれないのが寂しくてっ…命令ってことは頭ではわかってるけど、やっぱり…」
「吹雪…」

強く抱きしめると豪炎寺君はぽんぽんと頭を撫でてくれた。僕をあやすようにいつまでも撫で続けてくれた。




「落ち着いたか?」
「ぅん…ごめんね豪炎寺君…」

豪炎寺君の胸板にペタリと自分の額をくっつけた。…硬くていいなぁ

「もう、止めるか」
「え?」
「野球拳の罰ゲーム」

豪炎寺君は僕の服を拾い上げて渡してきた。

「豪炎寺君、いいの…?ていうか、ヤらなくていいの…?」
「…萎えた」

ひどっ…!!!

「ご、ごめっ…」
「いや、俺が悪かったんだ。気にするな」

豪炎寺君はまた僕の頭を撫でてくれた。でも…




「僕は…豪炎寺君と













シたいなぁ…」

ぼそっと聞こえるか聞こえないかぐらいの大きさで言ってみたけど…豪炎寺君には聞こえていたみたいだ。

「吹雪…?」
「豪炎寺君…お願い…僕、自慰でもなんでもするから…だからっ…ヤろう?」



君にもっと触れたいんだ



僕の全てを見てほしいんだ…



もっと、もっと…







「んっ…んん…ふ、ぁッ…」
「吹雪?!」

エッチなスイッチでも入っちゃったのかな?豪炎寺君の膝に自分のモノを擦り付けちゃってるなんて…


「んんっ…はぁ…きもちぃ…ぁんっ」
「吹雪…」
「ごーえんじくん…ぁ、今ならデキるかも…見てて…ねっ」

僕は壁に背を預け、思いっきり足を開いた。勿論、恥ずかしかったけどさっきの羞恥とは別のものだった。

「はぁうっ…んぁあ、ァアアッ!!ひゃぁああああああ、んっぁ」

また自身を上下に擦ってみるとまるでさっきまでの感触が嘘のように僕はあっという間に快感に溺れていった。


「くぁっ…い、ちやぁあ…イっちゃうぅうううっ!!!…ぁああああっ」

どぴゅっと僕の自身から白濁の液が噴射し、自分のお腹を汚した。


「はぁ…はぁはぁ……これで、いーい…?」

射精に伴う快感のせいで思考が安定しない。え、と…確か自慰すればいいんだよね?ちゃんと豪炎寺君の前でイけた。目を開けてる状態でだ。命令はちゃんと聞けた。


「吹雪…」
「んー…?」
「すまん…勃「萎えたんじゃなかったのー?」うっ…」

ふふっいつもの豪炎寺君じゃ見られない表情だなぁ…。

「しょうがないなぁ…付き合ってあげるよ。ほら」
「ん、悪いな吹雪…

















存分に乱れて泣き叫びながら喘げよ?」





え…マジですか…




豪炎寺君はド鬼畜モードのスイッチが入ったようでしたまる












声だけで我慢して









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