僕の毎日は家から学校に登校して北ヶ峰に寄り道をして帰宅する。それが日常だった。最近は暗くなるのが早いから部活が始まる前に行くようになった。
それが僕の日常
変わらない生活
再生と巻き戻しを繰り返すように巡る日々
でも、僕の日常は壊されたんだ
やっぱり、サッカーで
大雪警報が出てたのに外に出た僕が馬鹿だったんだ。いや、どうせこの人たちの目的地は僕の学校だったから出会いは免れなかったけれど…
「吹雪はサッカーするのか?」
「いや、やらないよ」
「そうなのか?やってみろよ!!すっげーおもしろいぞ!!」
「あはは、気が向いたらね」
北ヶ峰からの帰り、雪原の中で迷子になって佇んでた僕を拾ってくれたのは今年のFFに優勝した雷門中だった。その時はただの修学旅行かなんかだと思っていたから気づかなかった。
「君はサッカーが大好きなんだね」
「あぁ!!大好きだ!!」
にひゃっと力強く笑う彼がまぶしかった
自分が汚いように思えてくる
そんなことを考えていると突然、バスが止まった
「どうしたんですか?」
「雪だまり嵌ったみたいだ。ちょっと見てくる」
「駄目だよ」
道路のすぐ側は林
真っ暗で人影もない
「山オヤジがでるよ」
そう言った瞬間、バスが左右に揺れる
あーあ、来ちゃったかぁ…
僕は静かにバスの外へと出た
さぁて、一匹狩りますか