「ついてこないでよ!!」
「おい、吹雪!!」

何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ
なんで?なんで虎丸君と?
意味が分からない

「ついてこないでっていってるだろ!?」
「待てっていってるだろ、吹雪!!」

今、豪炎寺君なんかと話したくない。顔も見たくない。声も聞きたくない。

僕はこの気持ちをどう受け止めればいいかわからない。だから、本能に任せてみる

「豪炎寺君なんか知らないよ!!」


走る走る

ただただ走る

風になるとかそんな余裕なこと言ってられない。それほどまで僕は動揺していたんだ





「っ…待てって言ってるのが聞こえないのか!?」
「っ!?」

右腕をあたたかいもので掴まれた感触がした。でも僕はその手を振り払おうとする

「離せ!!」
「話を聞け」
「嫌だ!!豪炎寺君なんて嫌いだ!!」
「吹雪…」

なかなか振りほどけない彼の手。でも、構わずぶんぶん振り払う

「僕に飽きたなら言ってよ…っ!!僕、可哀想な子だからって同情してたんでしょ!?こんな奴に懐かれて困ってたんでしょ!?本当は虎丸君と一緒にいたいのにって…なら言ってよ…僕のこと…突き放せばよかったじゃないかぁ…」
「吹雪、違う…」
「豪炎寺君なんて…嫌いだ…」

口がとまらない。自分の気持ちをぽんぽん言っている自分が怖くなってきた

「吹雪…」
「嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ!!大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い…ぁ?」




一瞬、僕の中の時間がとまった

何が起こったかわからなかった



「ごう…えんじ…くん…?」
「吹雪…」




僕は豪炎寺君に抱きしめられてたんだ

豪炎寺君の胸の中は相変わらずあたたかくて、優しくて…僕はそれが大好きで…







でも、









「…離してよ」
「吹雪?」
「離してって言ってるだろ!?」
「おいっ!!」

ダメだダメだ!!豪炎寺君は僕に同情しているだけだ!!豪炎寺君に無理をさせてるんだ!!


「こんっの…!!」
「暴れるな吹雪!!」


じたじたと暴れても僕の力じゃ豪炎寺君にはかないっこないってわかってる…だから







「はぐっ!!」
「いっ…!!」




思いっきり、豪炎寺君の首筋を噛んだ。

血の味がしたような気がしたが構わず歯を立てて肉を突き破るようにして噛んだ


「吹雪…」
「ぐぅうう…」
「寂しかったんだろ?…ごめんな」
「っ!?」

違う。豪炎寺君は同情しているだけ

「俺は虎丸のこと…ただのチームメイトにしか思ってないぞ。なんでそんなに怒ってるんだ…?」
「…………」
「大丈夫、俺はお前しか見えてないから」
「ふぅ…うぅ…」

視界が歪む

頬に生暖かい雫が伝う


彼に頭を撫でられた瞬間、僕の感情は爆発した













氷点



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