『豪炎寺さん家の夕香ちゃん…亡くなったらしいんですって…』
『可哀想に…まだ小さかったのにね…』
『修也君もまだ中学生でしょ?大変よね…』
『お母様もまだ眠っているみたいだし…本当気の毒に…』
煩いな。
同情される筋合いはない
あれから数日後、夕香の葬式が行われた。みんなは俺達に同情の眼差しを向ける。やめろ、そんな目で見るな。
「修也さん…」
「大丈夫です…」
『知ってます?お母様が事故にあった時も、修也さんの試合を見に行く直前だったとか…』
『じゃあ、二回も同じことが?』
『不気味よね…』
あ…
そうか…
俺がサッカーをしていたからこんなことになったんだ…
サッカーをしてなければ、母さんが事故に遭うことも夕香が死ぬこともなかったんだ…
「…やるべきことは前から出ていたじゃないか…」
俺がやるべきこと…それは、
サッカーをやめて罪を償うことだ。
…_春
「豪炎寺修也です。よろしくおねがいします」
木戸川清修から逃げるように雷門中に転校してきた俺。この雷門中ではサッカー部には入部しないつもりだったが…
「豪炎寺…修也かぁ…!!」
同じクラスのサッカー馬鹿に付きまとわれるようになったのは他でもなかった。