木戸川清修にいた中学1年の頃だった
俺は1年にも関わらず、FFのレギュラーに選ばれた。
それは俺にとっては嬉しいことだが、先輩方には申し訳ないと思っていた。でも、先輩方は俺をレギュラーとして認めてくれ、応援までしてくれた。
そして、今年の大会は絶対に優勝したいと思った。
…_大会当日
「お兄ちゃん!今日はけっしょー戦なんでしょ!?いっぱい点入れてね!!夕香、応援しに行くからね!!」
「ああ、ありがとう。夕香」
俺夕香の頭を撫でながら言った。
そこまでは普通の日常だった
「え…今…なんて」
「お前の妹さん…会場に行く前に事故に会ったと連絡が…」
「っ!?」
まわりが真っ暗になった夕香が事故にあった?
無事なのだろうか?
足が動かない
頭が回らない
「豪炎寺、行け」
「え…」
「大会なんかより、妹さんのほうが大事だ。お前を試合に出せないのは苦しいが、やっぱり妹さんのほうがこの試合より大切だ」
「二階堂…監督…ありがとうございます」
そして俺は試合会場を後にした
「修也さん…!!」
「フクさん!!夕香は!?」
稲妻総合病院に着いた俺は病院内にも関わらず、全力疾走で夕香のいる手術室に足を運んだ。
「今、手術で…かなり酷い状況だと…旦那様が…」
「っ!!」
カクンと力が抜けてその場で膝をついてしまった。
「修也さん…っ!!」
フクさんに支えてもらうが、足が動かない。金縛りにあっているかのように重い…
「試合会場に行く途中に大型トラックが突っ込んできて…夕香ちゃんは…」
「夕香…!!」
俺が試合に出なければ…レギュラーに選ばれなければ…
サッカーをしていなければ…!!
こんなことにはならなかったはずだ!!
「修也さん…手術の成功を祈って待ちましょう?」
「…そう、ですね…」
手術が終わって聞かされた結果に俺は目の前が真っ暗になった。
結果は失敗
俺の幼い妹は俺の前からいなくなった