神様は残酷だ。
神様は僕から大切なものを全て奪った。
小さい頃には雪崩で両親が死んだ。僕とアツヤを救うために自分達の命を犠牲にして守ってくれた。
僕たちは寂しくて淋しくてどうにかなってしまいそうだった。その時、僕は言ったんだ
『アツヤは絶対…僕が守るからね…』
お兄ちゃんだから、アツヤは僕より寂しがり屋だから。僕が弟を守らなくちゃと思った。
そこからは僕とアツヤの二人暮らしが始まった。親戚の人達には頼らないようにした。だって、あの人達の目的はお父さんとお母さんの財産…簡単に渡す訳にはいかない。
なんだかんだで数年が過ぎて僕達は中学生になった。
僕達が入った頃の白恋中にはサッカー部はなかった。
だから、二人で協力してサッカー部を作るために勧誘をした。
そして、中1の秋にサッカー部ができた。
僕達は来年のFFを目指すために練習を開始した。今年のFFはもう始まってるらしいから、試合を観戦することしかできない。
だから、僕達は東京までFFを観戦しに行くことにした。色々な選手のデータを録るために…でも…
それが悲劇の始まりだった
「っ!?きゃああぁぁああああああああああああああああ!!」
「なっ…!?危ねぇ!!」
「アツヤ!?」
アツヤが風になるようにトラックに飛び込んで行く
トラックの進行方向には小さな女の子
アツヤもその子に向かって走る
何かがぶつかる大きな音が響いた
「…アツヤ…?」
そこにいたのは血だまりの中で女の子を抱いている自分の弟
赤い液体が白い肌に目立つ
赤い白い白い白い白い白い白い白い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
数年前の記憶が蘇る
真っ白い雪に赤い…
血
「ぅ、わぁあああああああぁぁぁああああああああああ!!!!!」
中学1年の秋、東京の大通りで
弟は両親の跡を追うように、いなくなった