「見つけたぞ!!」
「メイドは向こうだ!!」
「二階へ行ったぞ!!」
「くそっ、なんてすばしっこい奴なんだ!!」
「まて吹雪ー!!」



あぁっ、もう…!!





「しつこい!!!」

現在AM11:53…この変な企画も大詰めを迎えていた。だから、僕を狙う人達の焦りも尋常ではない。まぁ、賞品はネズミーランドのチケットだしね。無理はないか。立場が逆なら僕だって目の色変えてメイドさんを探して捕まえるだろう。

「あと、 7分…」

これですべてが終わる。これが終わったら僕は普通に文化祭に参加していいのだ。昼は豪炎寺君と二人で…

「は、ないかなぁ…」

さっき逃げちゃったし…。
豪炎寺君も参加してたら危ないから全速力で逃げたけれど(まぁ、恥ずかしかったのもある)、追ってくる様子がない。まぁ、自分が悪いんだけど

「しまった…!!」

そんなことを考えていたら、行き止まりに追い詰められてしまった。どうする?回りには何がある?前方には壁、後方には大勢の人々、右には窓があった。一か八かでその窓を開けて勢いよく飛び降りた…が、

「うそ……」

目の前に広がる景色に息が詰まった。視界を覆い尽くしたのは真っ青な空、そして下の方には屋台のテントと人混み。
その瞬間、僕は混乱に陥ってしまった。

このままだと誰かを下敷きにしてしまう。僕が飛び降りたのは恐らく3階だ。恐らく、誰も犠牲者を出さなくとも僕自身が無事に着地することはないだろう。

ぐるぐると考えを巡らせていると下にいる人と目があった。驚愕と恐怖に満ちた顔をしている。どうしよう、このままじゃ…このままじゃ…!!



「吹雪っーー!!!」




上からキャプテンの声が聞こえたけど、僕の意識は遠くなっていった。














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