今日は文化祭だ。僕のクラスは模擬店をすることになって喫茶店を開いた。僕は飾り付け係だったから仕事は終わったはずだった。でも、実行委員の女の子から「これ着て接客して」とメイド服を渡しながら頼まれた。で、…なんでこんなことになるのかなぁ?




「うわぁあああああああああああああああああああああああああぁぁぁああああああああああああああああぁぁぁっ!!!!」
「待てぇええええええええええええええええええええ!!!」

色んな人から追いかけられて全速力で逃げてる僕…。いや、自分自身どうしてこうなったのか全く理解できない。接客しろって言われてこれを仕方なく着たのに…追いかけられるなんて聞いてない。

「うおおおおおおぉぉぉおおおおおおおおおおおっ!!!」
「「!!??」」

廊下の突き当たりを一々曲がって階段降りるのがめんどくさくて、僕はそのまま真っ直ぐ開いている窓に飛び込んだ。勿論、ここは二階だ。

「超次元サッカープレイヤーを…嘗めるなっ…と」

ハードルを跳ぶ感覚で綺麗に着地。そのまま校舎裏へと逃げ込んだ。とりあえず人一人入れるくらいの掃除箱の中に入り、そこで一旦休憩。そして、追いかけられる前にクラスメートの女子から渡された無線機を手にする。使い方はわからないけど、とりあえず先生達が使ってるのを見たことあるから見よう見まねでボタンを押してみた。

「あーあーあー…もしもーし?」
『…ザザッ…あ、吹雪君?無線機の使い方分かったのね?』
「いや、わかんない」
『使えてるじゃない』
「まぁ、…ね」

苦笑しながら本題へと入る。どうしてこうなったのか理解できない。

「で、なんでこんなことになってるのかなぁ?ねぇ、流石に今回は僕だって怒るよ?」
『本当にごめんね。急遽中嶋さんが出れなくなっちゃって…追いかけられるメイドさん役もその子だったんだけど…』
「僕じゃなくて他の女子に頼めばよかったじゃないか」

なんで男の僕なんだ。

『だって、吹雪君足速いじゃない』
「だから、それ理由に…あ。」

成る程、そういうことか。

『分かったでしょ?』
「中嶋さん…陸上部だったね。はぁ…だからチビでサッカー部の僕に押しつけたんだね」
『押しつけてないわよー。まぁ、うちのクラスの女子って運動部入ってる子いるけど、足がとっても速い訳じゃないからね。そこで、サッカー部で最も小さくて最も足が速い君に頼んだってわけ。お分かり?』
「…うん、わかった」

無線機を蹴り壊したかったが、そこはなんとか我慢して耐えた。どうせ小さいさ…すばしっこいさ…。掃除箱の中でうずくまって落ち込んでいると実行委員さんの呼ぶ声に再び無線機を手に取った。

『勿論、吹雪君にはご褒美はあるわ。そうね…捕まってもファミレスで何か奢るわ』
「捕まらずに逃げ切ったら?」
『ネズミーランドのペアチ「よし、やるよ。任せて、絶対捕まらないから」





ということで、僕は張り切ってこの企画に参加することになったのだったまる










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