「狩屋君、部活始まっちゃうよ」
「あー、今いくー」


隣のクラスの輝君に急かされながら、俺は机の隣に置いといたギターを背負う。小さい頃は重くて持てなかったコレも今では軽々と持てるようになった。

「本当、狩屋君が転入してくれてよかったよ」
「なんで?」
「だって、一年生は僕一人だけだった
んだよ?雷門の軽音部ってバンド仲間を集めるためだけの部活みたいだし。先輩達も滅多に来ないしね」
「まぁ、それもそうだね」

だけど、その先輩達が来るから今日は部活があるんだよね。俺の歓迎会とかしなくていいのに…どーせ滅多に会わないのにさ。先輩は暇人なんだろうな。
心の中で悪態を吐きながら輝君の後を追うように校舎の角を曲がろうとした。でも、それは叶わなかった

「ぶっ…わ?!」
「あっ…悪い!!」

誰かの胸に顔面から激突してしまった。額がいてぇ…。手で額を抑えてうずくまっていると相手の心配そうな声が聞こえた。顔は俺自身がしゃがんでいて見えないが男子制服を着ていて、上靴の色が赤…二年生の先輩ということだけならわかった。

「狩屋くーん!はーやーくー!!」
「ごめっ…!!えと、すみませんでした!!」
「あっ…」

勢いよく立ち上がってその場から光の速さで離脱した。顔はよく見ていないが、髪は明るい桃色だった…気がする。










「狩屋…?」








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