「豪炎寺君、ちゅーしていい?」













「は?」


















「え?いや、待て。今なんて言った?」
「豪炎寺君、ちゅーしていい?」
 

どうしたんだ吹雪…


いつもなら、キスなんて吹雪からは絶対にしてこないのに今日はやけに積極的だな。


「ちゅーするの!!ちゅー!!」
「ちょ、吹雪!?」

吹雪がいきなり俺を押し倒してきた。誘ってるのか!?

「吹雪っ、ここグラウンドなんだが…」
「いいよ、いいもん…」

いいんだ…

いつもの吹雪ならグラウンドでキスするなんてありえない。前にしようとしたら蹴られた経験がある。


明らかにおかしい


「吹雪、どうしたんだ?いつもと様子が違…んん!?」

俺の言葉を遮るように、吹雪は俺を押し倒したままキスをしてきた。





ご丁寧に舌付きで






「ん、ちゅ…ふぅ…うぅ…」

なんか頑張ってて可愛い…が、吹雪に遊ばれる?のは俺のプライドが許さない。だから、ちょっといじめてみた。

「ちゅ…くちゅ…んぅ、んーんん、ぅ…んー!」

やっぱりか…
吹雪はいつも俺がしてるように、舌を噛んだり吸ったりしたいらしい。だが、俺が器用に吹雪の舌をすり抜け避けている。吹雪はだんだん我慢できなくなってきたみたいだ。

「んぅ、もぉ…ひただひ、んんん!?」

『舌出して』と言いたかったようだが、しゃべるのに気を取られてた瞬間、俺は吹雪の舌を捕まえた。

「んー!!ぅうううん!!ちゅく、んんんんんん!!!」

俺は吹雪の舌を吸ったり、噛んだりして弄んだ。さっきよりも水音が大きくなり、俺の口の端からは二人の混じり合った唾液が伝う。

「んんんんんん!!!んー!!!」
「ちゅく、ん?」

吹雪は息が苦しくなったようでドンドンと俺の胸を叩いた。
名残惜しそうに吹雪から口を離したら銀色の糸がプツンと切れる。

「はぁ、はぁ…ごーえ、んじくっ…がっつきすぎっ…!」
「すまん」

おまえから誘ってきたんだがな…

とは口に出さずに、唾液だらけの口を拭って吹雪の息が整うまで待った。


「今日はやけに積極的だな、おまえ」
「え!?そ、うかなぁ?あははは…」

誤魔化してるのがバレバレだ。肩が一瞬、ビクンッと跳ねたからな。

「…なんか言われたのか?」
「…………。」

図星か…

「はぁ…誰になんて言われたんだ?」
「…………。」

だんまり…か


「ま、無理して言わなくてもい「ヒロト君に」

え?ヒロト?

「ヒロト君にね、君は本当に豪炎寺君が好きなの?って聞かれてね…好きだよって答えたら、そんな風には見えないって言われて…」
「………」

なるほど…まぁ、他人から見ればそう見えるかもしれない。俺から吹雪に近づいていって色々なスキンシップをはかっても、吹雪は恥ずかしがってすぐに逃げる。

「僕、悔しくて…。僕だって豪炎寺君のこと大好きなのに、そんな風に見えないって言われて…なんかむしゃくしゃして、よくわかんないけど、豪炎寺君が恋しくなって…」
「キスした…と?」
「うん…ごめん」

しゅん…と落ち込む吹雪がとても愛おしく感じた。

「そうか、それはうれしいな」
「本当?」
「だって、吹雪は何だかんだ言って俺のことが好きなんだろ?」
「う、うん…」
「だから、うれしいぞ」

なしなしと頭を撫でてやれば、吹雪が嬉しそうに笑った。












本当に君のこと、大好きなんだよ


































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