no title


2013/05/20 12:00
「ねぇ、豪炎寺君」

冷め切った、光を失った氷塊のような瞳は俺を捉えて離さない。今の俺の状況はかなり危ないのかもしれない。吹雪に馬乗りをされてされるがまま状態。彼の指は俺の首筋を行ったり来たり。しかし、不思議と脳には危険信号が送られず、俺は他人事のようにその行為を受け入れている。相手が吹雪だからだろうか?それはそれで俺は相当な馬鹿野郎だ。

「独りは、寂しいんだよ?」
「そうだな」
「死ぬのも…生きるのも」
「うん」
「だからさ」

にこりと微笑んで言ってみせる。予想通りの言葉を紡ぐのをスローの世界で眺めていた。やっぱり他人事のように。

「みんないなくならない、君はそう言った」
「うん」
「でも、僕は君さえいればいい」
「そうか、」
「…呆れないの?」
「さぁ?」
「自分のことなのに…」
「自分でもびっくりだ」

僕もびっくりだ、と言いたげな吹雪の首手をかける。うれしそうな表情をする彼に、つられて微笑んでしまう。

「じゃあ…








ずっと一緒に…」






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