no title


2012/11/16 20:20
一日一歩

三日に三歩

三歩進んで









「あっ…」
「ん、?」

しまった、ぶつかってしまった。こんなに近づくつもりはなかったのに。日本の最南端である沖縄の日差しを無視して僕の背中に嫌な冷たさを感じる。普通の汗か冷や汗かもわからない体液がたらりと背中を滑り落ちた。気持ち悪い。

「え、と…ごめんね」
「ん、ぁー…すまん」

なんで君も謝るのさ、なんて言うほど僕は怖いもの知らずではない。寧ろ弱虫で臆病者だ。

怖い怖い、宇宙人が怖い

怖い怖い、サッカーが怖い

怖い怖い、アツヤがこわい

怖い怖い、彼が怖い





「?、どうした?」
「いや…なんでもない…よ」

震えが止まらない。ガタガタとマフラーを握る手が不自然に震えてしまう。脚も笑っている。どうしようどうしよう

「顔色、悪いけど大丈夫なのか?」
「ぅ、うん。僕、元々色白だから…全然大丈夫…」

嘘です。全然大丈夫なんかじゃない。僕なんかほっといて早く立向居君にシュートを打ってあげなよ。今度はちゃんとぶつからないように着いていくから。

こっちを見ないで


「おい、あんまり強くマフラー握ってると窒息する…「触るな!!!」


ぱしっと叩き落とした彼の左手
じんとした反動が自分の右手に伝わってくる

あれ?僕、今何をした?




「吹雪?」
「ぁ、」
「ごめん「ごめんなさい!!」

僕は逃げるように彼から離れてキャプテンの側へと走った。








「嫌われてるな」
「俺、何かしたか?」
















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