上手い誘い文句のひとつも解らないけど
2012/01/24 21:20
それぞれ、診断結果、それを元にした小話、の順ですー。
まずは、『恋の日』の晴樹×孝浩。
・孝浩が晴樹に「して…欲しいです…」と視線を逸らし、恥じらいながら誘うと組み敷かれて身体を愛撫されながら「…後悔するなよ」と囁かれました。
「して…欲しい……」
こちらを見つめていた目が逸らされたかと思えば聞こえてきた声は、小さく消え入りそうな大きさだった。
だけど先刻より赤みを増した孝浩の頬が、それを幻聴なんかじゃないと主張している。
あぁ、もう。
目の前の身体をソファの上に組み敷いて、無防備に曝されている首筋に口付ける。
「ぁっ…」
堪えきれないといった風に響いた声に、余計に劣情を煽られた。
「…後悔するなよ」
余裕ないからな、と続けるより先に、「バカ…」と返されて。
孝浩には一生敵いそうもない、なんて思いながら、俺は可愛い恋人の身体を辿り始めた。
次は『Nobady can hurt you.』の周防と槇。
・槇が周防の手を取って自分の胸元に押し当てながら目で訴えるように誘うと「震えてるぞ。無理するな…」と優しく頭を撫でられました。
優しいだけじゃないキスの後、もっと周防に近付きたくて、だけどそれをどう伝えたら良いのか分からなくて。
俺の頬にそえられていた周防の手を掴み、心臓にあてさせる。
ただでさえ早かった鼓動がより早さを増した気がする。
――周防、俺、こんなにドキドキしてる。
――お前にもっと触れたいって、思ってる。
伝われ、伝われ、と念じながら見つめていると、不意にくしゃりと髪を撫でられた。
「周防…?」
「手、震えてますよ。無理しないで下さい…」
「っ、無理なんかっ…!」
してないと言おうとしたのに、痛いくらいに抱きしめられる。
「っ!」
「好きですよ、槇……」
耳元を掠めた切なげな声に、胸が苦しくなる。俺は何を言えば良いのか分からなくて、ただ周防の背中を抱きしめ返した。
最後は、『エゴイスティック・スパイラル』の成瀬×つんでれんじさん。
・廉司が正巳の胸元に飛び込んで「…あなたが欲しい」と瞳を潤ませて誘うと強く抱き寄せられ、「…どうなっても知らないからな」と耳元で低く囁かれました。
我慢出来ずに口付けたけれど、明日も仕事だ。
これ以上は最後までしたくなるからと、引き寄せた身体を離す。
「すみません、廉司さん…」
我慢出来なくて、と呟いてから、言い訳なんかして格好悪いと思われないかと不安になる。
だけどそんな不安が吹き飛ぶことが、次の瞬間起きる。放したばかりの身体が、胸元に飛び込んできたのだ。
「っ…」
「…勝手に、終わりにしようとしてンなよ」
「え、」
「…っ、お前が欲しいって言ってんだよ…!」
睨むようにこちらを見ている瞳は、うっすらと潤んでいて。
その瞳を見たらもう、なけなしの理性が崩れていく。
「…どうなっても知らないですよ?」
抱きしめた恋人の耳元に囁いたけど、「バーカ」と返ってきた声音は信じられないくらい甘くて、胸が幸せで苦しくなった。
以上ですー。楽しんでいただけたら幸い。
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