悪戯は公平に
2011/10/31 19:23
「なぁ、今日はハロウィンだよな?」
「あっ、はい! そういえばそうですね。
もう十月も終わりですか…」
「だな。
で、成瀬。俺に菓子くれンのと悪戯されンのどっちが良い?」
「えっ…!」
「まぁ、菓子は要らないから悪戯させてもらうけどな」
「っ…!
ちょ、そんな格好良く笑うの反則で、んっ!」
「…お前だけが言う側じゃ不公平だろ。
今年は俺に言わせろよ」
「っ!」
「まぁ、どうしても嫌なら良いけど」
「廉司さんになら…、いや、ではないですけど……。
今の体勢とか…、ちょっと恥ずかしいです…」
「壁際に追い詰めてるだけだろ。
いつも俺にこれ以上にあれこれしてるクセに」
「っ…、だから恥ずかしいんですっ!」
「……」
「…廉司、さん?」
「…バーカ。ンなこと言ったって、可愛いだけだっての」
「!」
(二人の時はいつも可愛い廉司さんが、今日は格好良くて――)
(そんな貴方に言われたらもう、恥ずかしいより嬉しいが勝ってしまう)
Fin.
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