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0と1


ブルーという少女がいた。同じく色の名前を持つ少年2人に置いて行かれた、存在しない少女だった。
ミュウというポケモンがいた。居場所はなくその遺伝子だけが別のポケモンへ成り代わった、存在だけのポケモンだった。


 行ってしまった。ブルーは消えた桃色の光に目を閉じる。これでもう、ここにいるのは自分一人だ。独りきりだ。
 ミュウが向かった場所はあたたかくて優しい世界。何より他人と触れ合える。そしてブルーは知っている、そこに自分の生まれ変わりのような少女がいることを。
 ずるい、ずるい、羨ましい。私がいなきゃ生まれなかっただろう貴女が、ずっとそんな世界にいるなんて。

 ずっとこんな世界にいたなんて。ずるい妬ましい理不尽だ。自分と彼女があんな空間にいた間、これともう一人はずっと!
ミュウは洞窟に足を踏み入れ、耐えきれず叫び声を上げた。




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