ゆさゆさーって揺られる感覚に目が覚めちゃった。
「ん〜…?」
起きたらちづちゃんがオレの肩に手を添えてて、移動教室だよーって教えてくれる。
一時間丸まる寝ちゃったんだオレぇ。
授業中の可愛いちづちゃん見損ねちゃったぁ。残念。
「ありがとぉ、オレちょっと出かけてくるねぇ。」
「ぅ、うん…いってらっしゃい。」
「…行ってくるねぇ。」
やっばーぃ。行ってらっしゃい、だってぇ。
新婚さんみたぁい。ドキッってしちゃったぁ。
教室から生物室に向かう途中で朝話しをしてたヤツらを数人捕まえて、旧校舎にご招待。
ちょービビっちゃってて、マジウケるんだけどぉ。
なんでオレに呼ばれたんか分かんないって顔しちゃってさぁ、ちょっとムカつくんだよねぇ。
「ねぇ、お前らちづちゃんに近付くつもりぃ?」
あの子はオレのにするからダメ。
「ち、ちづちゃんですか…?」
「そー、遠野千鶴。あの子はオレのになる予定だからぁ、手ぇ出すなって他のヤツらにも言っといてよぉ。」
「え。」
驚いた顔してオレのこと見てくるソイツらにイライラする。
なに、そのありえないって顔。
オレがちづちゃんと一緒にいちゃいけないわけぇ?
思わず傍にあったボッロい机を蹴飛ばしたらビクッって震えんの。
同じビクッでもちづちゃんの方が億倍可愛いなぁ。
コイツら見てても楽しくなーい。
「お返事はー?」
「は、はい!言います!!絶対周りにも言います!!」
「そうそう、最初っからそうすればイイんだよー。」
へたり込んでるヤツらを無視して教室から出ようとして、ふと気付く。
あ、牽制しとかなきゃ。
振り返ったらビクッて怖がるからニッコリ笑ってあげた。
「もし手ぇ出したら、朝日どころか息も出来なくなっちゃうからね?」
ひぃいいぃっっ!!なんて、なっさけない声を出しながら頷く。
よしよし。これで大丈夫でしょー。
早く生物室に行かないと授業終わっちゃうよねぇ。
イラついたままだと、ちづちゃん怖がらせちゃうから煙草吸ってから行こーっと。
途中まで煙草を吸って、潰してゴミ箱に捨てて、ガムを食べながら行くの。
煙草の匂いなんてさせてたら良くないもんね。
…おかえりって言ってくれるかなぁ?Prev Novel top Next