シリウスの声が好きだ。
快活に笑う声、低く囁く声、苛立ちを含んだ低音、優しい声に、いつも私は溶けてしまいそうになる。
今だって彼が耳元で囁くように私を呼ぶから、なんだか心の奥がじんじんと熱くて。
ドキドキする。
囁かれた名前がなんだかすごく愛しく思える。
なんだか私だけがドキドキして余裕がないのが悔しくて、
シリウスが平然としているのが少し寂しくて。
私は思わず、
「シリウス、」
彼の右頬にキスをした。
普段は絶対にしない私の行動に、シリウスは眼を見開き顔を朱に染める。
シリウスはいつも余裕しゃくしゃくで、なんだって優雅にこなすから。
そんなふうに頬を紅くして戸惑う可愛い姿に、また愛おしさが募るんだ。
ふいうち
(してやったり!)(なんだこの可愛い生き物!)
(そんな可愛いお付き合い)
2010/02/23