親愛なるリーマス・ジョン・ルーピンさま


お元気でしたか?
ちゃんとご飯食べてる?
ひとりでふさぎ込んでない?

わたしはあなたを裏切ってひとりでおわることを選んだのだけれど、あなたはきっとわたしを探しに来てくれるだろうと信じてこれを書いています。

あなたを置いて先にふたりのもとへ行くわたしを、どうか許してください。
ごめんなさい、リーマス。



お願いがあります。

あなたがわたしを見つける頃は、このからだはまだ綺麗なままだと思います。

だからあなたがいつかかわいいねって褒めてくれた花柄のワンピースを着て、色とりどりのかわいいお花を両手に抱き、真っ白な棺のなかで眠りに尽きたい。

真っ白に色の失せた頬にはばら色の頬紅を乗せて、もうあなたへの愛を囁くことのできない可哀相なくちびるにはさくらんぼのようにみずみずしい紅を落としてください。そうして微笑みをたたえて、今にも目を覚ましそうなほどきれいな少女にあなたの手で仕立て上げてもらいたいの。



冷たく暗い土のなかにわたしを閉じ込めたりしないでください。お墓を建てて、わたしをそこに縛り付けたりしないでください。

どうか白砂のようにさらさらの灰にして、
太陽の光を浴びてそらのあおに美しく染まりキラキラとひかる海に、
それからいきを吸い込めば清々しくみずみずしい香のする草原に、
ふたりで約束を交わしたあの湖に、
いつか夢見た遠い南の島の浜辺に、わたしを放って。

そうしたらわたしはきっと風になって、いつでもあなたの傍にいられるでしょうから。

穏やかな気持ちで、あなたを見守ることが出来るでしょうから。



最期まで我が儘な女でごめんなさい。

大好きよ、ずうっと。






愛を込めて。


ユカ・ワトソン








2011/03/04

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